2012 03 19

眠ってる患者だけが良い患者

また読売新聞から。

兵庫県三田市の市立三田市民病院で、高齢の入院患者数人に睡眠導入剤を無断投与したなどとして、県警捜査1課が、同病院の元看護師の男(34)(兵庫県丹波市)を医師法違反(無資格医業)と窃盗の両容疑で書類送検していたことが、捜査関係者への取材でわかった。

元看護師は、「夜中にナースコールを鳴らされるのが嫌で患者を眠らせたかった。 仕事のストレスがたまっていた」と容疑を認めているという。

書類送検は16日付。 捜査関係者によると、元看護師は昨年1~5月頃、ナースステーションから睡眠導入剤を無断で持ち出し、当直勤務中に担当する70~80歳代の数人に点滴をする医療行為を行った疑い。

患者、特に老人には、躾のなってない犬と同じ権勢症候群の人が結構いて、 看護師<自分<医師 ときっちり階級分けして、その階級に応じた(と自分だけが思っている)態度を取る人が多いのだそうだ。 患者の家族が入る場合は、 看護師<患者=家族<医師 と、やっぱり看護師を最下位に据えていたりして、タオルが落ちても自分で拾わずナースコールで呼びつける人もいるとか。 下らないナースコールが、本当に必要な人の命を奪うかもしれないなんて、きっと考えたことも無いんだろう。

呼ばれる側の看護師は慢性的な人不足で、そのせいで勤務がハードになり、それが定着率を下げるというデフレスパイラル。 つまり、下らないナースコールを繰り返す患者への対策を考えるべき時なのだな。

すぐに思いつくのは、ナースコールを有料サービスにすること。 1回1000円とか。 でも、入院費を踏み倒す人は結構多いようで、有料にした所で踏み倒すつもりでナースコールを繰り返す人もきっと多いだろう。

下らないナースコールを繰り返す人を別扱いするのはどうだろうか。 例えば1~10とランク付けし、ランク10の患者のナースコールは10回呼ばれたら行くことにする。 連打対策として、規定時間(例えば3分)以内のナースコールは1回とカウントする。

けどまあ、こうしたところでやっぱり無駄に呼ばれることもあって、邪魔は邪魔。 結局、最も有効なのは、煩い患者は眠っててもらうことなんだよな。 今回の看護師のように勝手にやるのは拙いけど、医師の診察の元に適当に眠らせておくってのが現実的な解だという気がする。 いや、もうやってるんじゃないのかな。 なあなあで 「煩いならもう眠らせちゃっていいよ、100mlぐらい射っといて」 みたいにやってたのを、今回はたまたま発覚してしまって看護師が切り捨てられたのかも。

ところで、頻繁にナースコールしてくる患者と看護師の会話って、

「あまり頻繁にナースコールで呼ばれると、他の患者さんの迷惑にもなりますから」

「他の患者? どうせ大した用じゃないんだから、そんなの後でいいだろ」

「そういう訳にも行かないんですよ。 手術後に結構痛むって、経験されたでしょ?」

「じゃあ麻酔でもうって眠らしとけばいいだろ」

なんて感じじゃないのかね。 麻酔薬で眠らせて廻るのを一番喜んだのは、実は他の患者だったりして。 誰がやったかという形式だけが問題で、現場ではむしろ素敵サービスとして歓迎されてたんじゃないの?