1999 04 20

それはたぶん少数派

しばらく前に、 「商品分類が変更になったので、これでマスターを作り直して下さい」 と変更後のデータが送られてきた。 その対応で、川崎に行って作業したのが先週の木曜日のこと。 で、昨日電話があって、

「すいません。 あのデータ、全部間違ってました。 商品コードの先頭1文字を…」

もうね、ほんとは怒ったり文句言ったりする所なんだろうけど、笑っちゃうね。

「あらら、全滅ですかぁ、はっはっは」

「そうなんです。 すいません。 で、なるべく早く対応して欲しいんですけど」

とまぁそんなわけで、また今日も川崎へ行ってきた。 作業はあっさり終了。 府中に戻ってきたらちょうど半端な時間だったので、コンビニおにぎりを買って公園に行った。

タタタタっと駆け寄る音がして、本から顔を上げると、幼稚園の制服を着た女の子がいた。 俺が座っているベンチの端に手をついて、こっちを見ていた。 小さい子ってのは、なんて言うかこう 「まっすぐ」 に人を見る。 「こんにちは」 と言ってみると、ふにゃって感じで笑って、 「こんにちはぁ」 と返した。 それから、小さく 「あっ」 と言って振り返った。 もっと小さい女の子が後ろにいた。 妹らしい。 「ちゃんと挨拶しなきゃ」 と、その子に言って、二人で俺の前に並んだ。

「こんにちはぁ」

「こんにちあぁ」

そう言うと、二人してまたどこかへ走っていった。 何となく笑顔になっている自分に気付いて、妙に照れくさかった。 広げた本のページが眩しいくらいに、いい天気だった。