秋桜
駅から家の前を少し過ぎたところの交差点までは、歩道も広い上に電線も地中に埋められてすっかり奇麗になった。 が、交差点を過ぎた先は、道幅も歩道も狭くなってかなり危険な状態。 しかし、道を広げようにも、道路のすぐ傍まで家が立ち並ぶ。 もう人の住んでいないらしい古い市営住宅なんかはどうとでもなるんだろうけど、今そこに人が住んでいる家はどうしようもないよな。
交差点のこちらで、そんなことを考えながら眺めていたら、或る日角の家の周りに足場が組まれて、あっという間に家はシートで覆われてしまった。 で、足場を覆っていたシートが無くなったら、その向こうには何も無くなっていた。 まるで手品のように、奇麗さっぱり何も無くなっていた。
やっと道路を広げるのだろうか。 それとも、道路は狭いままに、マンションでも建つのだろうか。
秋桜の季節。