2000 01 21

(他人の)不幸中の(自分の)幸い

無駄に気合が入った北風の中を、川崎に出張。 南武線で、目の前に座ったサラリーマン風カップルが話していた。

「いまさらフミヤはないだろ?」

「今更じゃないって。 昔から好きなんだって」

「でもさぁ、そろそろオッサンじゃん、フミヤって」

「オッサンでもいいの。 女の子の気持ちがわかってる人なんだから」

「そうかぁ?」

「女の子の気持ちを言ってくれてる歌詞だと思わない?」

「そうかなぁ」

女の子の気持ちを言ってくれてる歌詞? 女の子の気持ちじゃなくて、女の子があこがれる気持ちだろ? 自己陶酔しやすいような。 聴いた感じがよくて、急遽自分の気持ちもこうなんだってことにしたくせに。 まあでも、こうすりゃ食いついてくるだろうってところを的確に突くってことでは、確かに女の子の気持ちを判ってるって言えるんだろうな。 目の前で動かすと反射的に食いつくカエルの性質を利用するようなもんか。

川崎駅。 地下街に降りていくエスカレーター。 エスカレーターから降りた人が皆ちょっと左側を見ていく。 なんだろうと思ったら、エスカレータの降り口の左で、ばあさんがうずくまっていたのだった。 なぁんだ、ばあさんか。 そのとき、 「どうしたんですか? 大丈夫ですか?」 と声をかけて、女の人がばあさんの前にしゃがんだ。 厚底にミニスカでしゃがむもんだから、ついついそっちに目が…

駄目人間!

断罪断罪また断罪