NHKで風疹の特集をやっていた。
そう言えば去年流行したんだったよなぁ…
なんて他人事のように見ていたら、番組中で
感染を広めたのはワクチンを打っていない20代から40代の男性
なんて発言があって、いきなり加害者の立場に。
いや、まだ容疑者か。 風疹の予防接種をたぶん俺は受けていないが、風疹に罹ってもいないはず。
感染を広めたのが男性というのは、予防接種の運用の故。 Wikipediaによると、日本でのワクチン接種は以下の通り。
- 当初は女子のみに限定されていた為に、男子が対象ではなかった。
- 男女の接種を可能にした際に、予防接種の対象年齢を中学生から満1歳以上7歳半未満に変更した。
- 上記年齢層の変更の際に、中学生に対する経過措置が設けられたが、それまでの集団接種から個別接種となった。
- MMRワクチン接種による重度健康被害の多発により、予防接種の安全性が揺らぎ、予防接種控えの現象が起きたことにより、予防接種率が低迷した時代が存在した。
この結果、接種が女性のみだった1987年以前生まれの男性と、制度移行の谷間となった1979~1987年生まれの女性が、主な患者なんだとか。
で、NHKの番組では予防接種を勧めていたのだが、これがもうひたすら胎児を守るためなんだね。
NHKでは
ストップ風疹
なんて特設サイトまで作っているのだが、こちらでも看板に
赤ちゃんを守れ
とある。
まあ、胎児を守ることに異論は無いのだが、そればかりを取り上げて予防接種を迫られると、なんかちょっと微妙な気分になるのだな。
風疹は子どもがかかる病気」だと思って油断してはいけません。 今回の流行では、患者の8割近くが男性で、その多くが20代から40代です。 成人の風疹の多くは、1週間程度で症状が治まると言われていますが、中には風疹のウイルスによって脳に炎症が起きる「脳炎」と診断されたケースもあります。 国立感染症研究所によりますと、平成24年〜25年9月中旬までに風疹による脳炎と診断された患者は18人に上っています。 重症に至らないまでも、40度近い高熱が数日間続いたり、血小板が減少して入院するケースもあります。 1週間ほど仕事ができなくなることが多いため、仕事や生活にも支障が出てしまいます。
と、男が風疹に罹ることの直接的なリスクも説明されてはいるのだが、なんかこう取って付けたような感じが。 全体を通して感じるのは、男の予防接種は、男を守るためではなくて子供を守るための手段でしかないってこと。 つまり、子供を掲げた訴え方は、子供がいる人には響くのかもしれないが、自分の子供が要らないと思っている俺のような人間には今一つ響かないってことだ。
番組中で紹介された医療漫画の作者にしても、医療を題材にしたのは、自分の奥さんの出産に立ち会ったことがきっかけだったそうだ。 それまでは、例えばニュースの中で紛争国の子供達の悲惨な状況を目にしたとしても、ちょっと可哀想だなと思う程度でスルーしてたんだろう。 要するに、子供の写真の年賀状を送るようになったんだよな。
子供がいる人に訴えかけて、そこから周囲の子無しや独身に波及させるのも良いとは思うけど、子無しや独身に直接訴えかけるなら 「子供が可哀想」 ではなくて、もっと自分への直接的な影響、例えば 「現在の出生率のままで先天性風疹症候群が100人増えると、年金の破綻が1年早くなります」 みたいな経済面からのアピールの方が響くんじゃないだろうか。
まあ、俺がひねくれてるだけって可能性もあるんだけどさ。