上弦の月。
ふと見上げた空に月があると、何だかちょっと浮ついた気持ちになるのだが、その浮つき方は月に形によってかなり違うような気がするな。 月が細い程、つまり新月に近い程、優しい気持ちになるような気がする。 まあ、そうして湧いた優しい気持ちも、どこにも発揮されることなく、あっという間に消えていくんだけどさ。
月でなんとなく思い出した、先日見つけたちょっと古いニュース。 IRORIOから。
女性に子供を出産させ、取引していたという 「赤ん坊製造工場」 が中国で摘発され、犯罪組織のメンバー100人が逮捕された。
同時に、工場で生活していた女性や赤ん坊の凄惨な実態が、徐々に明らかにされた。
男の子を生むと89~160万円の報酬
中国の警察が摘発したのは、中国東部の山東省、済寧市にある施設。 そこで37人の赤ん坊が保護された。 しかし、それは犬を繁殖させるような場所だったらしい。
施設の中には妊娠した女性が詰め込まれていた。 彼女らは集団で連れて来られ、食事と寝る場所を与えられ、その場で出産していた。
そして子供を産むと、男の子で5000~9000ポンド(約89万~160万円)、女の子の場合は、 「1人っ子政策」 のために、それより低い金額を受け取っていた。
赤ん坊は生まれるとすぐに母親から引き離され、売られたと見られている。
赤ん坊は残飯を食べさせられていた
警察によればその施設は、非衛生的で、とても出産をするような場所ではないという。
実際、発見された赤ん坊のほとんどが健康を損なった状態で、少なくとも7人が性感染症、もしくはエイズにかかっていた。
しかも赤ん坊たちは、カップヌードルのような食事や、残飯を与えられていたことも分かった。
中国公安局の部長、チェン・シーグゥ氏はMirrorの中で次のように語った。 「この赤ちゃん製造工場は、幼児売買の新しい形とみなされる。 いくつかのケースでは、犯罪組織はすでに妊娠している女性をターゲットにして、赤ん坊を引き渡すことを条件に多額の報酬を約束していた。 また他のケースでは、お金を払い女性を妊娠させていた」
中国でも当然、赤ん坊の売買は違法とされている。 それらの罪を犯した人間は、厳しい懲役刑を科せられる。 また3人以上の赤ん坊を取引した場合、死刑の判決が下される。
これ、元はイギリス発の2015/01/13付けの記事。 もう5月なので半年近く前なのだが、俺はこのニュースをテレビで見た記憶が無い。 いや、ニュースの記憶なんてあっという間にあやふやになるし、印象に残って無いってのが正確な表現か。 記事が本当だとすれば、比喩ではない本当の 「産む機械」 扱いなのだから、大臣の発言を責め立てた連中なら、もっと大騒ぎしても良さそうなものだが。 福島瑞穂とか。 アグネスとか。
以前、と言うのはもう10年ぐらい前だが、農家の働き手を確保するために、都会から女を誘拐して子供を産ませるなんて話を聞いたことがある。 これが今日、工場で生産し販売するようになったのは、合理性を追求した結果だろうか。 しかし、何を作るにしても、中国は中国なんだよな。
いや、環境は確かに酷いのだろうが、生まれた子供が性感染症やエイズに罹っているのは、出産場所の衛生環境が悪いせいばかりでも無いんじゃないか。
記事には
すでに妊娠している女性をターゲットにして、赤ん坊を引き渡すことを条件に多額の報酬を約束
と
お金を払い女性を妊娠させていた
との二つのパターンが有るが、エイズなのが前者の子供だとすれば、工場の環境ではなくて仕入先の品質の問題だよな。
って、やっぱり中国は中国ってことなんだけどさ。
ところで、保護された子供はどうなったんだろう。 続報を探してみたのだが見つからなかった。 記事の当時に生まれたばかりなら、まだ数カ月しか経ってないし、行き先がなくて保護施設にいるのかもしれないな。 将来、子供を購入予定だった内陸部の農家に引き取られて、結局のところ子供の値段がタダになっただけなんてことにならなきゃいいのだが。