台風21号接近中だが雨風はそう強くなかった午前中に買い物に行き、ついでに投票もしてきた。
午後、3時ぐらいだったか、避難準備を勧めるメールが市から送信されてきた。 その全文がこれ。
避難準備・高齢者等避難開始
こちらは日野市防災安全課です。
台風21号による大雨や土砂災害に備えて
市内小中学校を避難所として設営しています。
お年寄りの方、体の不自由な方、小さな子供がいらっしゃる方など
避難に時間のかかる方とその支援をする方は避難準備を開始してください。
なお、今後のテレビ・ラジオや市の情報に注意してください。
(日野市)
(日野市)
何故か(日野市)が二回繰り返されている。 ここが一番大切なところだったのだろうか。
ちなみに最寄りの小中学校は午前中に投票に行った小学校なのだが、投票中とか関係なく受け入れてくれるのかね。 ああ、いや、あの小学校は洪水の時は駄目か。 川のすぐ横だし、確か日野市のハザードマップでも洪水時の避難先にはなってなかったはず。 と思ってハザードマップを広げてみたら、小学校はやっぱり駄目だった。 が、よく見れば自宅はギリギリ安全圏だった。 逃げるよりも籠城に備えるべきらしい。
ところで選挙だが、何もなくても投票率は下がる一方なのに、今回は台風接近中。 きっと投票率は過去最低を更新するのだろう。 ということで選挙について、昨日の朝日新聞から。
明日投開票される衆院選では投票率も注目される。 前回は戦後最低を更新。 ほぼ半数の人が投票しないという事態となった。 小選挙区制のもと、第1党は全有権者の3分の1以下の得票率でも、圧倒的な議席数を占める傾向がある。 低投票率はそうした選挙結果の乖離に拍車をかけている。
2014年の衆院選の投票率は小選挙区で52.66%で、戦後最低だった12年の59.32%をさらに下回った。 「郵政解散」の05年は67.51%、民主党に政権が移った09年は69.28%と高かったが、落ち込んだ。 14年の有権者数は1億400万人。 1%減れば100万人が投票にいかなかった計算になる。
14年は、自民党は定数475のうち290議席(小選挙区222議席、比例区68議席)を得て、単独過半数に到達。 「安倍1強」を盤石にした。 ただ、低投票率とあいまって、全有権者に対する得票の割合を示す絶対得票率は小選挙区で24.49%、比例区で16.99%にとどまった。 明確に支持を示した人は小選挙区で4人に1人、比例区では6人に1人だった自民が全議席の6割を占めた計算だ。 09年の第1党民主党は小選挙区の絶対得票率が32.20%で、比例区を含む議席占有率は64.2%。 12年の自民は24.67%で、61.3%の議席を得た。
朝日新聞が10~13日に行った衆院選情勢調査では、自民、公明両党を合わせた与党で300議席をうかがう勢い。 今回は、野党側が分裂しており、政権批判票も分散する可能性がある。 絶対得票率は低くても、圧倒的議席を得る状況が起こりやすくなる。 さらに低投票率となれば、絶対得票率との差はさらに開く。
今回の衆院解散を疑問視し、棄権を呼びかける動きもある。 思想家の東浩紀氏は「大義がない選挙は解散権の乱用で、それを批判すべき野党も数合わせの新党形成に邁進している」などとして、「積極的棄権」を望む人の署名活動をインターネット上で展開。 20日時点で5400人以上が賛同している。
ただ、批判のための棄権が選挙結果に影響を与えることはない。
田中愛治・早稲田大教授(投票行動論)は「棄権は非常に危険な発想だ。国民の過半数が参加せず、ごく少数の支持で多くの議席を占めた政党が政権を取るようでは不健全だ」と懸念を示す。 「自分の投票した候補の政党が政権与党となれば、その後の政権運営に力を与えることができる。投票した候補や政党が野党となっても、明確な批判票があることが分かれば、勝った側も強引な政権運営はできなくなる」と投票することの意味を強調する。
年 第1党 投票率 小選挙区の
絶対得票率(比例区を含む)
議席占有率2005 自民党 67.51 31.58 61.7 2009 民主党 69.28 32.20 64.2 2012 自民党 59.32 24.67 61.3 2014 自民党 52.66 24.49 61.1
実際は折れ線グラフと円グラフの組み合わせだったのだが、グラフは面倒なので数字だけにしている。
さて、新聞やテレビがよくやる世論調査だと、支持政党は自民党が30〜40%で第1位。 次いで旧民主党系が10%弱。 支持政党無しが30〜40%ぐらいで、自民党よりもちょっと多い程度だったはず。 このうち、支持政党を訊かれたから答えるが投票しようと思う程に積極的に支持しているわけではないって程度の人が一定数いると考えると、投票率はだいたい50〜60%ぐらいになるんじゃないか。
漠然とそう思っていたのだけど、実際どうだったのかが気になってきた。 グラフがなんか都合よく抜粋されている気もするし。 で、総務省が公開している選挙結果の資料を見てみた。 以下、その結果。
まずは有権者数と投票者数と投票率。
年 | 小選挙区 | 比例代表 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
有権者数 | 投票者数 | 投票率 | 有権者数 | 投票者数 | 投票率 | |
2005 | 102,985,213 | 69,526,624 | 67.5 | 103,067,966 | 69,532,186 | 67.5 |
2009 | 103,949,442 | 72,019,655 | 69.3 | 103,949,442 | 72,003,538 | 69.3 |
2012 | 103,959,866 | 61,669,473 | 59.3 | 103,959,866 | 61,662,947 | 59.3 |
2014 | 103,962,784 | 54,743,087 | 52.7 | 103,962,785 | 54,735,787 | 52.6 |
投票率、昔は結構高かったんだね。
しかし、そんなことよりも気になるのが人数の違い。 小選挙区と比例代表で有権者数が違うのは何故? これまで漠然と投票者数は違うことがあっても有権者数は同じだろうと思っていた。 実際、2009年と2012年は同じで2014は一人違うだけなのだが、2005年は82,753人も違う。 2005年に何があったのか。 比例代表に投票して小選挙区に投票するまでの間に亡くなったとか捕まったとか? でも投票は確か小選挙区からだったような…。
次に、与党と野党それぞれ第1党の得票数と得票率と議席獲得数と議席占有率。 ついでに記事中にあった絶対得票率も。
年 | 政党 | 小選挙区 | 比例代表 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
得票数 | 得票率 (相対) | 得票率 (絶対) | 議席 | 占有率 (枠内) | 占有率 (全体) |
得票数 | 得票率 (相対) | 得票率 (絶対) | 議席 | 占有率 (枠内) | 占有率 (全体) |
||
2005 | 自民 | 32,518,389.918 | 47.8 | 31.6 | 219 | 73.0 | 45.6 | 25,887,798 | 38.2 | 25.1 | 77 | 42.8 | 16.0 |
民主 | 24,804,786.739 | 36.4 | 24.1 | 52 | 17.3 | 10.8 | 21,036,425 | 31.0 | 20.4 | 61 | 33.9 | 12.7 | |
2009 | 自民 | 27,301,982.074 | 38.7 | 26.3 | 64 | 21.3 | 13.3 | 18,810,217 | 26.7 | 18.1 | 55 | 30.6 | 11.5 |
民主 | 33,475,334.854 | 47.4 | 32.2 | 221 | 78.7 | 46.0 | 29,844,799 | 42.4 | 28.7 | 87 | 48.3 | 18.1 | |
2012 | 自民 | 25,643,309.437 | 43.0 | 24.7 | 237 | 79.0 | 49.3 | 16,624,457 | 27.6 | 16.0 | 57 | 31.5 | 11.9 |
民主 | 13,598,773.592 | 22.8 | 13.1 | 27 | 9.0 | 5.6 | 9,628,653 | 16.0 | 9.3 | 30 | 16.6 | 6.2 | |
2014 | 自民 | 25,461,448.922 | 48.1 | 24.5 | 222 | 75.3 | 46.7 | 17,658,916 | 33.1 | 17.0 | 68 | 37.8 | 14.3 |
民主 | 11,916,849.274 | 22.5 | 11.5 | 38 | 12.9 | 8.0 | 9,775,991 | 18.3 | 9.4 | 35 | 19.4 | 7.4 |
ここでまた新たな疑問が。 小選挙区の方の得票数に小数点が付いているのは何故? そして比例代表の方に小数点が付かないのは何故? 実は半人前カウントの人がいて、小選挙区への投票は認められているが比例区へは投票できないとか? でも200年と2014年は小選挙区と比例代表の有権者数は同じなんだよな。 じゃあ、姓だけ書いたら0.5票とか?
きっとルールがあるのだろうと思って調べてみたら、やっぱりあった。
同姓の候補者がいた場合、姓だけの投票は同姓の各候補者に按分される。
まあ、これはこれで微妙だが。 同姓の候補者がいる場合には姓だけの投票を無効にすりゃ良いようなものだが、それだと姓だけで一意に特定できる候補者が有利になるってことなのかな。 だったら裁判官の不信任みたいに、あらかじめ名前を書いておいて有権者はチェックするだけにすればいいのに。 書くのも集計するのも、名前を読み取るよりもずっと簡単になるだろう。
しかし記事中にもある通りで、第1党と第2党の議席占有率の違いは、得票率の違に比べるとかなり大きくなっているんだね。 小選挙区の問題として特に共産党がよくこの問題を指摘していた記憶があるが、実際に見てみると得票率と議席占有率には思った以上に差があった。 この数字を見ると、野党議員が文句を言いたくなる気持ちがちょっと判る気がする。
でも記事が持ち出している絶対得票率の扱いも違うだろ。 投票していない人は支持していないという扱いにしているが、投票しないのは結局のところ白紙委任になるのだから、第1党への投票に含めてしまうのが妥当じゃないか。
あともう一つ。 記事では、2009年には69.3%だった投票率が2012年に59.3%に急落した理由について触れていないが、これ、民主党政権への失望だろう。 なんか変な勢いの乗って民主党に投票してしまって、うっかり投票しちゃダメだって反省したんじゃないのかね。
その民主党は、維新の一部と合流して民進党になり、民進看板での選挙の不利を悟って希望の党に合流しようとし、先行合流組が急に偉そうになったのに反発した残党が立憲民主党を立ち上げた。
なんてことを書きながら開票速報を見ているのだが、与党が圧勝しそう。 民主系はゴタゴタの割には善戦している模様。