2000 03 23

こんな大人になるなんて

電車が発信する時のモーター音が何かに似ている。 何だろう? と、記憶を探って、波動砲のエネルギー充填に辿り着く。 宇宙戦艦ヤマトだ。

エネルギー充填 120%

ターゲットスコープ、オープン

目標、前方5000宇宙キロ

対ショック、対閃光防御

波動砲、発射

一連の発射手順(うろ覚え)のバックで、徐々に甲高くなるウィンウィンという音。

さて。 子供の頃、なぜエネルギー充填が 100% ではなくて 120% なのか疑問だった。 大人になった今、全く違う疑問が沸いてくる。

女性一人で大丈夫だったのか?

1年近くも大勢の男の中に女が一人なのに、彼女を廻ってトラブルが起きたのを見たことが無い。 なぜか?

  1. みんな我慢強かった。
  2. 全員去勢されていた。

    いや、人類が滅びかけてるときに、この可能性は低いか。 そういったことを知らされない、或いは(例えば宗教的に)否定する環境で育ったとか。 性欲抑制の薬物使用とか。

  3. 当時の美醜の基準では、森雪はどうしようもないブスだった。 というか、見向きもされないだろうということで選ばれた。

    ムカイチアキ並。

  4. 現実の女なんかどうでもよくなるくらいに、充実した性欲処理施設があった。 快楽中枢を直接刺激するような。 BRAINSTORM のような。

  5. 男どうしで。

思いつくのはこんなところなのだが、可能性としては最後のが一番高そうな気がするな。 戦国時代はそうだったらしいし。 刑務所は今でもそうらしいし。 何と言っても安上がりだし。

「真田さん、ちょっと」

「おお、島、どうした? あっ、何を…」

「何? ナニに決まってるでしょう」

「よせ、人が…」

「ここはめったに人がこないんですよ。 それに…」

「…あっ…」

「誰かくるかもしれないと思うと、余計に燃えませんか?」

「…んっ…」

「ふふ、体は正直ですね。 ほら、もうこんなに…」

なんて、艦内のそこかしこで。 イスカンダルへ向かう時にはまだ本気で拒んでいたのに、帰路にはもう皆が自分から。 勤務中から目と目で合図して、期待で膨らませたりして。 時にはまるでウミウシの交尾のように、何人もが同時に連なったりして。 あ、佐渡先生が機関長に。 ああ、艦長まで…

…嫌な想像しちまった。 いくらなんでもね。 どう調教したところで、皆が皆そうなるわけじゃ…ん? 調教? 一つ、恐ろしい可能性に気がついた。

アナライザー

この名前、専用の開発&調教マシーンとも取れる、なんとなく危険な薫りが。 まさかこいつが?