2007 10 23

シダラ

昨日、駅で電車を待っているときに聞こえてきた、サラリーマンらしき二人の会話。

「僕、もてないんですよ」

「そうなの?」

「はい。 なんかこう、もっともてるようになりたいんですよね」

「もてるようにねぇ…」

「○○さん、もてますよね」

「俺? 俺はもてるんじゃなくてマメなだけだよ」

「でも、よく女性の方から話しかけられてるじゃないですか」

「そりゃ普段からマメに話しかけてるからね」

「それは○○さんだからですよ」

「俺だと何か違うのか?」

「かっこいいからですよ。 僕がマメだったらストーカー扱いです」

「それはお前、考えすぎだろ」

吹き出しそうになるところを危うく抑えたのだった。 しかし、 僕がマメだったらストーカー扱いです ってのはいいな。 これまでの人生、何もしなければ暗いといわれ、頑張れば頑張ったで気持ち悪いと言われてきたのだろう。 「生理的に駄目」 とか。

なんて他人事のように言っているが、いや実際に他人事だが、傍で笑いをこらえている俺も、もてない側にいるんだよなぁ。

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「だらしない」 の 「だらし」 って何だろう?

不意にそんな疑問が湧いてきて、ちょっと調べてみた。 その結果。

「だらし」 は 「しだら」 のアナグラム。 かつては 「しだらない」 と言っていたらしい。

「しだら」 は、梵語で秩序を意味する 「修多羅」 から来たという説と、 「自堕落」 からという二つの説があるらしい。

俺としては、否定形が続くことから、秩序の修多羅説を採りたい。 しかしまあ、言葉ってのは本当に変化するものなんだな。 「しだら」 を 「だらし」 と言うことを、当時の年寄はきっと不快に思っていたことだろう。 「だらしないことをするな」 という言葉自体が、かつての基準では 「しだらない」 んだよなぁ。