用水路の中を歩いていた白鷺。 見た瞬間に 「白い!」 と、ちょっと感動した程の白さだったのだが、写真だと微妙だな。
しかし考えてみれば、白鷺って野良暮らしなんだよな。 野晒しの雨晒し。 そんな生活の白鷺がここまで白さを保っていられるのって、実はかなり凄いことなんじゃないだろうか。
汚れが目立たない構造なのか。 そもそも汚れない構造なのか。 何れにしても、努力無しでもある程度は白さを保てるようになっていないと、いつ見ても真っ白ってのは無理だよな。
そうそう、白さを保つ努力で思い出した。
「俺らの会社って、ブラックかホワイトか、どっちだろうね」
「ブラックじゃないんでしょうけど、ホワイトとも言いたくないですね」
「あー、そっち忙しそうだよね」
「その忙しさで残業が続いて、今月はもう残業できないんですよ」
「そうなんだ。 じゃあ今月からホワイトデビュー?」
「時間的にはそうなんですけど、やらなきゃいけないことは全然減ってないですからね」
「残業はするな。 でも今までと同じだけ仕事はしろ。 人は増やさない」
「ほんとそれです。 気分的にはもう真っ黒ですよ」
「見かけのホワイトを保つために中の人を酷使って、何て言うんだろうね。 仮面ブラック?」
「そんな感じですけど、そんな格好良くないです。 内容と言葉の響きが全然合ってないですよ」
「見かけのホワイトに騙されて人が増えればいいんだけど、この業界がブラックってバレてるからねぇ」
「人が増えたら増えたで、戦力になるまではこっちのやることが増えるだけですよ」
「だよねぇ…」
会社の中(の一部?)は割と黒いらしい。