2011 03 24

鉄砲玉なのか

思うに、原発で復旧作業に当たる作業員の安全を確保する最も良い方法は、 経産省・厚労省の課長以上と東京電力の役員を現場に必ず立ち会わせること だよな。 作業員がいる間は、こいつ等も必ずその場にいなければならない。 同じ場所に、同じ装備で。 こうしておけば、服装、作業時間、線量等の基準をものすごく厳格に守るんじゃないか。

復旧作業を行う作業員3人が高い放射線量の被曝を受けたというニュース。 毎日新聞の記事から。

東京電力によると、作業員は丈の短い靴で水に入り、足がぬれたという。 住田健二・阪大名誉教授(原子炉工学)は 「放射線を含む可能性がある水の近くで作業をするなら、防水の長靴をはくなど、防護対策をとるのが常識だ。 作業の管理に問題がなかったのか疑問が残る」 と指摘する。

福島第1原発では、水素爆発などが相次ぎ、作業現場の放射線量が高くなっている。 従来、原発で働く作業員の被ばく線量の限度は年間で50ミリシーベルトで、緊急作業時は100ミリシーベルトだった。 厚生労働省は、この事故に対応する特例として、限度を250ミリシーベルトに引き上げた。 被ばくした作業員は、放射線を遮蔽する防護服を着ていたというが、高い放射線量を浴びた。

作業員は足首までビニール(?)で覆っていたが、現場にたまっていた水はもう少し深くて、そのせいで放射能汚染されているかもしれない水が靴の中に流れ込んだらしい。 現状は、津波でいろいろ流された上に、想定外に人が増えている状態なのだが、装備は全員の分があるのだろうか。 実は全然足りなくて、正規装備は正社員のみ、下請けは簡易装備で作業してるなんて事はないよな?

厚労省は、被爆線量の基準を、平時の5倍、緊急時の2.5倍に引き上げるということだが、こんなに大きく引き上げていいものなのか。 この基準値は 「年間」 で設定されてるんだよな。 でも、これを引き上げる時に想定しているのは、上限に近い値を直近の復旧作業数ヶ月で被曝する状態だろう。 それ、基準値を決める際の想定から外れてないか? 厚労省の職員が現場に必ず立ち会わなければならないとなっても、同じように基準値を引き上げるのか?

と、文句を言ってばかりでもしょうがないので、解決法を考えてみた。 死刑囚をここで生かす というのはどうだろう。 死刑囚は、ただ刑の執行を待つだけじゃなくて、こうした災害時に対応するための訓練を日夜積んでおく。 で、いざというときに出動。 規定の危険度のミッションをこなす毎にポイントを加算し、ポイントが規定に達すれば出所。 その後は予備死刑囚として、特殊な災害で人手が足りなくなった時のために生きる。 逆に、ミッションに規定数の失敗、または規定回数の拒否で死刑執行。 どう?

しかし、税金で生きてるのを公務員と定義するなら、死刑囚もそうなんだよな。 どうなんだ、これ。

ところで、現場で作業するにあたって、学者等は造血幹細胞の事前保存を勧めている。 被曝して遺伝子がダメージを受けると、正常な血液細胞が作れなくなる事がある。 こうした場合に、事前に採取しておいた自身の造血幹細胞を移植する事で治療できるらしい。 自分の細胞なので、移植において問題になる拒絶反応も無い。 採取にかかる費用は、一人当たり20万もあれば足りるとか。

が、保安院はこれを拒否しているのだそうだ。 拒否の理由は、 安全に配慮して作業しているので必要ない ということらしい。 これまでに想定外の事が何も発生していないなら、その理由もまだ判らなくもない。 でも、今がまさに想定外の状況だってのに、こいつ等はいったい何を考えているのか。