2014 07 24

公平に改善しない

ミンミンゼミ

ミンミンゼミ。 マンションの廊下にとまってた。 透き通った羽が奇麗。

考えてみれば、ほとんどの蝉の羽は透き通ってるんだよな。 海外の事情は知らないが、日本では、透き通っていないのはアブラゼミとニイニイゼミぐらい。 蝉的には、どっちが良いのだろうか。 種類としては圧倒的に透明派が多いけど、個体数としては半々ぐらいで、希少性という観点は意味が無さそうだし。

そうそう、蝉と言えば、童話のアリとキリギリス。 これ、オリジナルはアリとセミだったんだそうだ。 童話をローカライズする過程で、セミがあまりいない地域でキリギリスに置き換わり、それが日本に伝わったとのこと。

セミもキリギリスもありふれている日本なら、どっちが馴染むだろうか。 俺はキリギリスだと思う。 蝉って、冬に苦労しているイメージが無いんだよな。 鳴き始めたと思ったら次々に死んでしまう姿は、ただ儚いだけで、遊んだツケって感じがしないし。

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最高裁で裁判員裁判の量刑が減らされたという話。 時事通信から。

大阪府寝屋川市で2010年、1歳の三女を虐待し死亡させたとして傷害致死罪に問われ、一、二審で求刑の1.5倍の懲役15年とされた父親の無職岸本憲(31)、母親の美杏(32)両被告の上告審判決で、最高裁第1小法廷(白木勇裁判長)は24日、「裁判員裁判の量刑判断は尊重されるべきだが、他の裁判の結果との公平性は保持されなければならない」との初判断を示した。

その上で一、二審判決を破棄し、岸本被告に求刑通り懲役10年、美杏被告に懲役8年を言い渡した。 裁判員裁判の量刑が、最高裁で見直されたのは初めて。 裁判官5人全員一致の判断。

第1小法廷は 「裁判員制度は国民の視点を反映させるために導入された。 量刑について、制度導入前の傾向に従うことは求められていない」 とし、裁判員裁判の判断は尊重されるべきだとの見方を示した。

一方で、 「他の裁判結果との公平性は保持されなければならない」 と判断。 「評議では、大まかな過去の量刑傾向を裁判官と裁判員の共通認識とした上で議論する必要がある」 と指摘した。 さらに、 「それでも公平性が失われるような刑を選択すべきと判断したのなら、説得力ある根拠を具体的に示すべきだ」 と述べた。

その上で、 「今回の事件では懲役15年とした説得力のある根拠が示されていない」 として、岸本被告を求刑通りに減刑。 美杏被告は暴行を実行していない点を考慮し、さらに減刑した。

判決によると、2人は共謀して三女に継続的に暴行を加え、10年1月、岸本被告が頭を平手で強くたたいて急性硬膜下血腫などの傷害を負わせ、同3月に死亡させた。

一審は 「殺人罪と傷害致死罪の境界線に近い」 と指摘した上で、 「児童虐待には今まで以上に厳しい罰を科すことが社会情勢に適合する」 と判断。 二審も2人の控訴を棄却していた。

刑罰を、裁判官は教育と見るのに対し、一般人は復讐の代行と見るから、量刑に差が出てくるんだろう。 裁判員裁判は、そのギャップを埋めるための若干の方向転換だと思っていたのだが、過去の判例を優先させるのなら、裁判員裁判の意味がないよな。 過去の判例が駄目だってことで裁判員制度が始まったってのに、その過去とのバランスを取るために改めませんってどうよ。 自分たちの間違いを認めたくないのか? そりゃ認めたくないか。

教育なら教育でもいいんだけどさ。 復讐ならやって終わりだが、教育なら責任が発生するからね。 って、現状は、再犯にもだれも責任を取らないんだけどさ。 逆か。 責任を取るなんて発想がそもそも無いから、教育なんて言ってられるんだよな。

元々、裁判員制度は一定期間後に制度を再検討することになっていたはずだし、次回はこの辺りも含めて検討してほしいものだな。 裁判員の出した量刑を裁判官の判断で短くした場合、その犯人が再度罪を犯したことで発生する弁償や慰謝料の何割かを裁判官が分担すること、みたいな。

まあ、やらないよな。

国民の視点を反映させた結果が量刑の違いとして現れていることは裁判官も認めているようだが、では、従来の裁判官の視点と国民の視点との違いは具体的に何だと考えているのだろうか。 非論理的な感情の問題と思っているのかな。

たぶんほとんどは感情の問題なんだろうけど、これを切り捨ててしまう事が犯人の更正を妨げる一つの要因になっているとも思うのだ。 「あれだけの事をやったのに、たった数年で出てきて」 という目で見られる事は、社会復帰の大きな妨げだろう。 出てきたときに、それを迎える社会の側が 「まああれだけの苦役を果たしたんだから」 と、ある程度納得できるぐらいのものが必要なんじゃないか。 裁判員裁判で量刑が増える傾向に有るのは、現状では納得しがいたいからだろう。

とは言え、死刑以外は懲役の長さしかないんだよな。 しかも懲役中は税金で暮らしてるとか、ねえ。 海外のスラムよりも日本の刑務所の方が待遇がいいとか、貧しい国の人にとってはもう罰どころかご褒美だ。 これじゃあ10年が15年になっても、なかなか納得はできないだろう。

じゃあどうすればいいかと考えて、いつも行き着くのは臓器提供と新薬の検体なんだけど、これはこれで反対が激しそうだよな。