2010 09 25

思い出したように発言小町

なかなか面白いものがあったので残しておく。

29歳の会社員です。 2年ほど付き合ってきた同い年の恋人がいます。 彼女は私にとって初めての恋人で、結婚も考えてきましたが、彼女の本音を知って、彼女と別れを告げました。

ことは、彼女が友達の結婚式に出たのをきっかけに、結婚の話をするようになるところに遡ります。

彼女はとても綺麗で、とても良く尽くしてくれて、一緒にいて癒される、およそ欠点というものを持ち合わせていない女性です。 学生時代・社会人になってからもとてもモテたという話です。

引き換え、私はそれまで女性と付き合ったことがなく、前に見た彼女の昔の男たちの写真と比べるとおよそ彼女が私を好きでいる理由が見つからない、そういった類の男です。

だから、彼女が結婚を言い出した時に、私は彼女に率直にどこが良くて私と結婚したいのかと尋ねました。

彼女の話を要約すると以下のような感じです。

おそらく彼女は私を褒めようとしたのだと思いますが、私は馬鹿にされたような気がしました。 結婚を考える年になって現れた都合の良い男、愛などではなく妥協の産物に過ぎないと思い知らされました。 その日のうちに合鍵を取り上げ、彼女に別れを告げました。

よく恋愛相手と結婚相手は違うと言いますけど、私にはとても割り切れません。 そう言いえるのはどこまでいっても、恋愛を持てる者の理で、持たざる者としては傲慢にすら思えます。 ルサンチマンと言えばそこまでですが…

世の中の女性の考えってほとんどこんな感じなんでしょうか? こんな惨めな思いをするなら、結婚できなくてもいいです…

これ、発言小町に書き込む人たちの琴線に触れたと言うか、掻き毟ったらしい。 投稿されたのが9月23日17時53分で、受付終了が9月25日8時24分。 この僅か一日半の間に投稿されたコメントが568件。 そのコメントの多くが、投稿者を責めるもの。

彼女の言葉は最高の褒め言葉。 それをそんな風に受け取るのは、器が小さい。 コンプレックスが強過ぎ。 可哀想。 そんなだからモテない。 きっと後悔する。 一生独身でいろ。

中には彼女の非を挙げるものもあるが、その非が 「昔の男と比べたこと」 だったりする。 もちろん比べられることにはいい気がしないのだが、馬鹿にされたと感じるのはそこがポイントではない。 コメントしている人たちには、それが本気で判らないんだろうか。 判っていて目を背けてるならまだ救いがあるが、本当に判らないとしたら、呆れるのを通り越して恐ろしさを感じるな。

彼女の意見の並べ方を変えて対比をはっきりさせると、少し判り易くなるか。

まずは昔の男に負けている部分。

真面目ってのは、退屈をオブラートに包んだ表現だからね。 そして、昔の男に勝っている部分。

んー、判り易いかどうかは微妙だが、要するに彼女はキリギリスなんだよな。 秋になったからそろそろ養ってくれと蟻に言う、養ってもらうくせに微妙に上から目線の。

で、件の彼女も駄目だけど、ここで投稿者を責めている連中は更に駄目だ。 都合良く利用されるだけなんじゃないかと悩む蟻を、 「都合がいいと褒められてるのに、喜ばないなんておかしい」 と責めているのだから。

馬鹿にされたという感覚を理解出来ないのは、そもそも感覚が全く違うのだから仕方ない面もあるとは思う。 でも、そうした差があることに思い至らず、発言を自分の望む形で解釈しないからと責めるのは、どう考えたって間違ってるだろ。 そんなこと言ったら、例えば言葉によるセクハラのほとんどが成り立たなくなるのだが。 「どんなつもりで言ったかは問題じゃない。 聞いた方が不快と感じるなら、それはセクハラだ」 なんて、セクハラでの定説はどこに行ったのかね。

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彼岸花

彼岸花の季節。