昼飯食いながら。
「デリカメンチって、NFBでよく出てただろ」
「おぉ」
「あのデリカって、ポルトガル語でデラックスなんだって。 デラックスメンチカツ」
「あ、そうなんだ?」
「うそ」
「感じわるぅ」
「いいじゃん。 どうせ食わないだろ?」
「そうそう、かみさんが、マンション買うって言い出してさぁ」
「買うの? 賃貸じゃなくて?」
「支払いは、家賃と変わらないらしいからね」
「そりゃまぁそうだろうけど。 マンションねぇ」
「なんかもう決まってるらしいんだよ」
「子供いくつだっけ?」
「上が2歳で下が4ヶ月」
「何かと大変だよなぁ」
「渡邊も早く結婚しろよ。 あいつだって結婚するってよ」
「あいつが? ふーん。 需要と供給ってのは、どっかでバランスとれるんだな」
「なんだかね」
「結婚ねぇ。 別居で夫婦別姓で独立採算制でってのは駄目かな?」
「それ結婚って言うのか?」
「通い婚」
「それがいいって人は、なかなかいないんじゃないか?」
「そうかな?」
「そうだよ」
「なんかさ、駄目な男に尽くすことに生き甲斐を感じる女の人もいるらしいよ」
「なにそれ?」
「自分が必要とされてるって実感と、悲劇のヒロインなんて自己陶酔と、さ」
「で?」
「そんな人が俺の周りにもいないかなぁってさ」
「何言ってんだか」
「俺なら、そんな人に凄い充足感を感じさせてあげられるんだけど」
「しょーがねぇーなぁ」
「しょーがねぇーなぁ」
「この会社で探すのは無理があるんじゃないか?」
「そうなんだよなぁ」
ということで、誰か俺を養ってくれないだろうか? 連絡を待つ。