紅葉の様子を見に高幡不動に行ったのだが、まださっぱりだった。 で、せっかくなので、いつもは素通りしている大日堂に入ってみた。 200円という入場料の安さと、地元感覚とで、正直あまり期待していなかったのだが、これがなかなか良かった。 今度は奥殿にも入ってみようかな。 こっちの入場料は300円だそうだ。
ところで今日の高幡不動は、写真マニアのための撮影会だったらしい。 なんとか連盟と書かれた旗の下、望遠レンズをつけたカメラを持ったおっさんが大量に屯していた。 最初に見たときは紅葉でも撮るのかと思ったが、被写体はモデルのお嬢さん。 去年の優秀作品ってのを見ると、紅葉はもちろん高幡不動という場所も全く関係無し。 モデルさんは7人ぐらいいたかな。 あんまり綺麗な人はいなかったんだけど、おっさんたちはそれこそハイエナのように群がって、あまり意味があるとは思えない望遠レンズを向けていた。
望遠レンズに意味が無いと思ったのは、撮影する距離が結構近いからだ。 しかし、彼らにとって、ちゃんと意味があるものなのかもしれない。 と言うのも、モデルを囲んだおっさんたち、いろいろポーズを取ってもらうためにモデルさんに声をかけるのだが、その声がいちいち遠慮がちなのだ。 小さな声でボソボソと、まるで独り言のように。 そういった気の弱さは、きっといい場所を確保しようとするときにも発揮されて、ともすれば群衆の後ろから隙間を狙う形になってしまうのだろう。 そんな経験が、こういった撮影会には望遠レンズを装着させるのだ。
とも思ったが、見れば皆がボソボソ声をかけていて、それにも何だか順番があるようで、互いに気を使いながらやっているらしい。 気の弱さから前に出られないことを見越しての望遠レンズではないようだ。 単に付けておきたいだけか。 時速250kmなんてスピードは不要。 取り扱いも不便。 それでもフェラーリに乗るような、そんな感覚かね。
それにしても、見事におっさんばかりだった。 男ばかりなのは、モデルが若い女性だからだろうか。 それだけじゃないと思う。 本格的なカメラで撮影なんてのは、あまり女性受けしない趣味なんだろう。 女の子が撮りたいのは、自分と、自分の周りの人や物なんだろうと思う。 安くて可愛いカメラで十分な。 そこでは写真は、作品ではなくてコミュニケーションツールなのだ。 たぶん。
そうそう、撮影会とは関係ないが、聖蹟桜ヶ丘で中学生ぐらいの女の子が募金を呼びかけていた。 それはまあ何と言うこともない風景なのだが、ちょっと気になったのは、彼女らの後ろに立っていた幟の文字が 「あしながさん」 だったこと。 女だって募金するのに、 「おじさん」 ってのはどうか。 かといって、 「あしながおばさん」 と併記するのも、 「おばさん」 のイメージがよろしくない。 ならばいっそ 「おじさん」 を取って、ただの 「あしながさん」 にしてしまおうってことなんだろう。 いろいろ気を使わなきゃいけない時代なんだね。 くだらない。