2001 07 28

南平丘陵

遠くへ

遥か彼方まで続く送電線を支える巨大な鉄塔。 そして、見上げる俺を優しく包む電磁波。

これは花か?

「大きくなったら、白い花を咲かせたいな」

「花なんか咲かない。 お前は俺と同じ、葉っぱだよ」

「何言ってんだよ。 頑張れば花だって咲くかもしれないじゃないか」

「どう頑張ったって、咲かないものは咲かないんだよ」

「世の中、何が起きるか判らないって言ったのは、お前じゃないか」

「ああ、言ったよ。 踏まれたり、抜かれたり、食われたり、枯れたり」

「……」

「何が起きるか判らないが、起きるのは悪いことばかりってことさ」

ヒキガエル

おたまじゃくしからカエルになったばかりのヒキガエル。 小さくてかわいい。

ヒキガエルは、30年ぐらい生きるらしい。 それだけ生きればでかくもなるか。

抜け殻

そう言えば、広島の家でも、蝉が登ってきて脱皮したと言っていたな。

「わしゃ、初めて蝉が出てくるところを見たけど、凄いもんじゃのう」

と父。 背中が割れる瞬間も見たのだそうだ。 それは俺も見たかったな。

花手毬

一つ一つの花は、せいぜい1cmぐらいの大きさ。