1998 07 30

クローンの2

断言するが、クローン人間はいつか作られる。 可能性が示されたなら、いつか必ずそこに至る。 科学とはそういうものなのだ。

クローン人間を忌み嫌う人は結構多いのだが、その人たちに 「なぜ?」 と訊くと、 「生命を弄ぶのはよくない」 とか、 「自分そっくりの人ができるのは嫌」 とか、だいたいそんな感じの答えが返ってくる。 思うに、これは恐怖なのだな。 自分の存在価値がなくなってしまうのではないかという恐怖。 自分の欠点や嫌な部分を突きつけられるのではないかという恐怖。 そんなところだろう。 生命の誕生を、顕微鏡を覗きながらのちょっとした操作だとは考えたくないってのも、あるかもしれないな。

さて、クローン人間が実際に生まれた場合、一番困るのは法律だったりする。 クローン人間は人間か? の判断をしたくなくて、倫理的にどうこうなんて言ってるのではないかという気もする。 法律は、人間に適用する前提で作られているが、実は人間の定義がはっきりしない。 というか、ない。 「自分自身を人間だと思っている生物の集団から、同類であるとされたとき、人間であるとする」 という無限螺旋は、真理の近くにあるのではないかという気がするが、これは定義としては役に立たない。

問題
人間の定義を示せ。