2008 11 30

できることから

がらがらの電車のシルバーシートに座っていた。 俺の前には、そろそろギャル風が苦しいお年頃のお姉さん。 メールを打ったり、留守電(?)を聞いたり、携帯で暇潰し中。

彼女が何度目かに携帯を耳に当てたときのこと。 すぐ傍の手すりにもたれていた浮浪者風の男が、彼女の手をはたいた。 驚いて見上げる彼女に、浮浪者風は 「これ!」 と、おもいやりぞーんの文字を指さすと、さっきまでとは反対の手すりにもたれて、窓の外に顔を向けた。

注意されたお姉さんは携帯をバッグにしまったのだが、バッグにしまいながら物凄い目で浮浪者風を睨んでいた。 視線で人が殺せるなら、あの浮浪者風はきっと死んでいる。 そんな目。

あの目を見ると、浮浪者風の注意の仕方が実は正解だったんじゃないかと思えてくる。

普通なら、 「ここでは携帯は使わない方がいいですよ」 と言えば十分だと思うだろう。 しかし、なぜ注意されたかは棚に上げて、注意されたこと自体に腹を立てる人に対しては、そうした紳士的な態度は反って良くないのではないか。 「電車の中で携帯を注意したら、逆に痴漢で訴えられた」 なんてのは、紳士的な態度を与し易いと取られるからではないか。 いきなり手をはたくのはやり過ぎのようだが、やり過ぎの行動をいきなり取ってくる相手だからこそ、さらなる行動を恐れて反撃されないのではないか。

まあ、はたくのはやっぱり拙いのだが。 それでふと思ったのが、こんな状況。

おもいやりぞーんに、心臓が悪くてペースメーカーをつけている婆さんが座っている。 その隣に、携帯を弄っている女がいる。 婆さんは隣の女の携帯を気にしているが、自分では注意できない。 その場にいた浮浪者風の男が、その状況に気付いて、携帯を弄っている女に注意をする。 最初は手をはたこうかと思ったのだが、直接的な暴力は拙いと思い直して、怒鳴ることにする。 で、怒鳴ったら、その怒鳴り声に驚いた婆さんがショックで死んでしまった。

この場合、浮浪者風の男は善意の殺人犯?

ところで、 「強気で注意できる相手にしか注意しない」 と言うとあんまり良いようには聞こえないんだけど、やってることは、 「できることからコツコツと」 なんだよな。 だからどうってことも無いんだけど。

酒樽

明治神宮の参道に積んである酒樽。 全国の名酒を取り揃えているのかと思ったが、CMでよく聞く名前もちらほら。 って、CMで聞くから名酒じゃないってのも変な話か。

そんな酒樽が10m以上もずらりと並んでいるのだが、中身が入っているのかどうかは判らない。 いや、そもそも何でここに並べているのかから判らないのだが。 ちなみに、道の反対側にはワインらしい樽が、これまたずらりと並んでいる。

鳥居

明治神宮の大鳥居。

高さ 12.0 m
柱と柱の間 9.1 m
鳥木の長さ 15.5 m
柱の径 1.2 m
笠木の長さ 17.0 m

木造の明神鳥居としては国内最大なんだそうだ。 鳥居なんて日本にしかないと思うのだが、 「国内最大」 と書くのは、世界にはもっと大きいのがあるからだろうか。

この柱が一本の木でできてるのは凄いと思うが、その木が台湾産なのがちょっとがっかりだな。 台湾だから駄目って訳ではないんだけど、何となく、国産であって欲しかった。

ちなみに、鳥居は大きく2種類に分類できるのだそうだ。 反りのある屋根っぽい物とかの装飾があるのが明神鳥居。 直線の円柱だけで構成されるシンプルなのが神明鳥居。

明神と神明… ちゃんと分類する気があるとはとても思えないネーミングだな。

手水

綺麗に並べておけば、使った人がまた綺麗に戻してくれる。 神社はきっと、そんな期待を参拝客に対してしていることだろう。 そしてあっさり裏切られるのだ。

細石の巌となりて

石灰質角礫岩。

国歌に 「細石の巌となりて」 と歌われる石がこれなんだと、横に札が立ててあった。 国歌に歌われる石そのものではなくて、単に同じ種類の石だってことなんだろうが、それでも、有難味が一気に減ってしまったな。 どうせなら、巌と言うに相応しい大きな石にすればいいのに。 石灰岩を掘り出してこんなところに置いておくと、苔むす一方でどんどん風化するのだが、それはそれでいいのかな。