大船駅を出て見上げれば、そこにもう横顔。
参拝するには、階段を上らなければならない。 バリアフリーが浸透しつつある今日この頃、車椅子用の参道を設けているところも多いのだが、ここ大船観音は階段のみ。 階段の左側にはスロープ状に板組みしてあるのだが、これは工事用の資材を運ぶためのようだった。
別に大船観音を非難するつもりはない。 権威の演出、山岳信仰との結びつき、その他いろんな理由があって、こういった施設は山や丘に作られてきたのだろうから。 けど、観光気分の俺には容易い道が、病人や老人なんかの真剣に救いを求めているかもしれない人には困難だってのは、皮肉だよな。
白一色にベールという姿は、隠れキリシタンのマリア観音を思わせる。 全身像ではなくて胸像なのがちょっと残念。
生憎、観音像の周囲は工事中。 改装だろうか。 工事現場の端には、分解された石灯篭の部品が並べてあった。
ところでこの大船観音、同期入社の女の子に似てるんだよね。 丸い顔に切れ長の目。 目とはなれた三日月眉。 普通にしているのに、ちょっと笑っているように見える口元。 違いは色。 彼女は黒かった。 ずいぶん昔に辞めちゃってそれっきり。 今は何をしているんだろうか。
観音像自体があまり大きくないこともあって、内部の作りも簡素。 メインの部屋に銅製(?)の観音像が置いてあり、後は工事中の写真が数点展示してあるだけだった。
参道の脇に咲く白い花。