2010 07 31

それだけ?

女性雇用が回復する中で低迷する男性雇用 世界的な『男女失業率格差』はなぜ起きたのか と題する MONEYzine の記事を見た。

6月29日に公表された総務省 「労働力調査」 によれば、5月の失業率(完全失業率)は5.2%となった。 男女別に見ると、男性の失業率は5.5%であるのに対して、女性の失業率は4.7%と低い。 女性から雇用が回復し始めているとの分析もあるが、どうして男女で失業率に違いが生じているのだろうか。

1990年代半ばまでは、男性の失業率の方が、女性の失業率よりも低かった。 それが1998年度に逆転して以来、女性の方が失業率が低い状況が続いている。 2009年度には、男性の失業率が5.5%、女性の失業率が4.8%と、年度別で過去最大の差が開いた。

男女で失業率に違いが出ているのは、就労する業種が影響していると見られている。 傾向として、男性は製造業や建設業に就労し、女性は医療・福祉・教育やサービス業に就労することが多い。 1990年代後半から公共事業が削減されるようになったため、建設業の雇用状況は慢性的に悪化している。 製造業についても、工場の海外移転による産業空洞化、世界不況による輸出減少などによって、国内の雇用情勢は苦しくなっている。 一方で、医療・福祉・教育、サービス業の雇用は相対的に堅調だ。

だそうで、 各国で見られる 「男女失業率格差」 は、産業構造の特徴を反映している現象と言えそうだ と結論づけていた。

失業率って、求職の意志がない人はカウントされないんだよな。 専業主婦や学生がそう。 なので、失業率ばかりじゃなくて、男女それぞれの総数に対する就業者の割合も示さないと、意味がぼやけてしまうだろう。 ということで、元の資料である総務省の 労働力調査(平成22年6月) を見てみた。

労働力人口 3,474 2,549
完全失業者 199 128
非労働力人口 605 1,484

対象は15〜64歳。 数値の単位は万人。

元記事は全人口を使っていたが、よりはっきりさせるために、労働力調査でも枠が明示されている15〜64歳を抜き出した。 この数字を見て思うのは、 「これで女性の雇用が上向いてると言えるのか?」 ってこと。 俺にはむしろ足りないように見えるのだが。 他の国ではどうなのかは知らないが、日本で女性の方が失業率が低いのは、女性が就職するのを止めて主婦や家事手伝いをやってるからだろう。 男女の失業率が逆転したのが、ちょうど不景気になった頃だし。

+

台湾団扇蜻蜓

台湾団扇蜻蜓(タイワンウチワヤンマ)。 ベランダで休憩していた。 温暖化の影響か、生息域がどんどん北上しているのだそうだ。