ガスバーナーでロックを焼き切って中のものを持ち出すという、なかなか豪快な自販機荒らしが捕まっていた。
で、その自販機ってのが、アダルトビデオ。
アダルトビデオが欲しかった
のだそうだ。
レンタルビデオで借りてくりゃいいようなもんだけど、それじゃ駄目なのかね。
アダルトビデオって、最後まで見るとうんざりなんだけど、こいつ(確か26歳)は違うのかな。
夜中にガスバーナーを持ち運ぶエネルギーを他に向けりゃ、かなりのことができそうだけどね。
屈折した欲望ってのは、恐ろしいような可笑しいような。
しかし、有害図書だなんだで何かと煩いところに、アダルトビデオの自販機なんてものがまだあったんだね。
レンタルビデオ屋のアダルトコーナーはたいてい、店の奥の一角に、物色しているところが外から見えないように展開している。 そこで見た、ちょっと毛色の違う人達。
「彼氏が借りてきたアダルトビデオを参考にして、いろいろ試してみる」 と言う人がいたが、こいつらもそのパターンだったのだろうか。 パッケージを手にとって、あーだこーだと言ってた。 なかなか楽しそうで、いいことですな。
その周りにいた男供が、そっちをちらちら見てた。 視線が露骨に不愉快そうで、困ったもんですな。
「彼氏が借りてきたアダルトビデオを参考にして、いろいろ試してみる」 と言う人がいたが、それだと彼氏の趣味に偏ってしまう危険性大だ。 って、何が危険なんだか。 ま、より広範囲なテクニックを磨くには、自分でいろいろ借りてきて研究するのがよいということだ。
と思いながら見てたら、レズ物を手に帰っていった。 「借りてくる彼氏」 役だったのかもしれない。
それも、母親と小さい男の子。 子供の手を引いて、 「これはもう見たよねぇ」 などと言いながら物色してた。
子供がアダルトコーナーに入ってくると、親は非常に気まずそうな顔をして、子供を連れて行くのが普通なんだけどね。 禁断の性教育?
気がついたときは、このおやじ、3本ほど手にしていたのだが、その手が止まらない。 次々と手にとって、パッケージの裏側を一瞥して、小脇に抱える。 ジャンルも色々。 結局8本ほど手にして、カウンターへ。
「御返却は?」
「明日」
おおっ!
さらに、そのおやじが帰った後の、店員の会話。
「ねえねえ、さっきの人でしょ? こないだ言ってた アダルトの人」
「そう。 凄いでしょ」
アダルトの人って… そんな呼び方だけは、されたくないなぁ。
そんなのを観察してる俺も俺だけど。 しかし、レンタルビデオ屋には、随分御無沙汰だ。 家の向かいにあるのに、もう1年ぐらい行ってない。 会員証の期限は、いつまでだっけ? と思って、会員証を見てみたら、H8-9-24 だった。 既にゴミ。