1998 05 21

壊れかけ

いつもの通勤電車。 ドアのすぐ横の、なぜか色の違うシートに座る。

高幡不動。 3分ほどの停車時間と、特急待ちの人の列。 時々見かける奇麗な人が乗ってきた。 少し陰のある美人。 俺がもっとも弱いタイプ。 向かいに座った、そのスカートが短くて、ドキッとする。

聖蹟桜ヶ丘。 人がたくさん乗ってくる。 彼女は席を空け、俺のすぐ横に立った。 目の前の手すりに、奇麗な指。 ほのかないい匂いに、俺の中の何かが6割ぐらい溶けて、思わず深呼吸。 なんだか幸せ…

電車を乗り過ごしてしまった。 気がつけば府中。 電車を降りて、階段を下りて、改札に背を向け、階段を上って、電車に乗った。 自分の人生に疑問が湧いた。

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退屈凌ぎの、だらだらした会話。

「なんかさ、胸が離れてる人っているだろ?」

「うん、いるね」

「そーゆーのってさ、ガニ胸っていわないのかな? ガニ股みたいにさ」

「…言わないよ」

ガニ胸、或いは、ガニ乳。 言葉の響きだけでも、なんだか凄く嫌な感じ。 これがさらに、貧乳だったりすると、かなり嫌な二重苦。 貧乳のガニ胸。 貧ガニ、ヒンガニ、 ヒンガニーッ!

最近、なかなか眠れないのだよ。