1998 07 05

暑い

大雑把に言って、環境の厳しいところでは厳しい戒律を持つ一神教が、豊かなところでは自然崇拝の多神教が発生する。 一神教の神様は集団の団結を保つための方便だし、多神教の神様は自然の脅威に対する気休めだ。 いずれにしても、神様ってのは、人の弱さが作り出す虚像が一人歩きしたものだ。 そんなものに祈っても、くその役にも立ちゃしない。 暑い。

昨日も今日も死ぬほど暑いと思ったら、ほんとに死んだ奴がいたそうで、他人ごとじゃない。 俺も気をつけないと。 こんな日は、ひからびたりしないように家でじっとしてるのが正解なのだが、じっとしてても腹が減る。 ところが、家にはろくな食い物がない。 しょうがないから買い物に行く。 ついでに本屋にも行く。 小さい子がいて、俺と目があって、にこにこしてる。 手を振ってみたら、奴も手を振り返して、そんなことがずいぶん嬉しそうだ。 そんなとき、 「俺は死んだら天国行きだな」 と思うのだよ。 天国なんて無いんだけどさ。

本屋でかかっていた It's only love を、誰が歌っていたのか思い出せない。 すごく気になる。 暑い。