1998 07 29

クローンの1

細胞が分裂成長していくときに、どの部分が何になるかは、電気的な作用によって決定されるらしい。 このあたりの詳しいことが解明されれば、一つの細胞から、目的とする臓器だけを作り出すことができるようになるだろう。 事故や病気(遺伝性の場合は事情が違うが)で臓器あるいは手足を失った人に対して、その人が持つ健康な細胞から、必要な部分を作り出して移植することができるのだ。 何より大事なことは、この場合は、遺伝的な特性が全く同じため、拒絶反応が起こらないと予想されることだ。 さらに技術が進めば、欠損部分周辺の細胞から、直接、必要な臓器を再生することができるようになるかもしれない。

という、現在の臓器移植の問題点は、きれいに解消される。

はずだったのだが、そこに至る道は、かなり遠くなってしまったようだ。 文部省のお達しで、 クローン技術を人に応用することを禁止する のだそうだ。 クローンと聞くとすぐに、自分そっくりの人間ができたら嫌だとか、美男美女で頭脳明晰な人間ばかりの社会なんてつまらないとか、古典的なSFの発想から否定する奴がいる。 そんなふうに、もっとも無駄なところに注目して反対するのは、ニュースジャパンの安藤さん(と、スタッフ)ぐらいだとおもっていたのだが、文部省の役人も、同じレベルなんだろうかね。 まあ、文部省だからね。

クローンと言えば、ALIENのリプリーさんだ。 3作目で死んだのが、4作目ではなんとクローンとして復活する。 前宣伝で見たところ、クローンリプリーを促成栽培していた。 娯楽映画だから、細々した矛盾や強引さは問わないことにするとしても、やはり納得いかないところはある。 それは なぜ中年になるまで止めなかったのか? ということだ。 細胞一個からやり直してるんだから、1作目のリプリーの年頃で止めてくれればよかったのだ。 半けつパンツで、まだ青かった俺を密かにときめかせてくれた、あのリプリーで。 対象年齢25〜35(四捨五入あり)の俺でも、40代はいけません。 リプリー、カムバック!