1998 08 25

積善の俺に余慶有り

新宿で、いつもなら中央線に乗り換えるところを、時間にゆとりがあったので山手線に乗った。 渋谷を3つ過ぎたぐらいの駅で、見るからにホームレスな爺さんが乗ってきて、俺の隣に座った。 人生だけじゃなくて、精神もどこかで踏み外したような爺さんだった。 爺さん、両手にぶらさげてた紙袋を床において、服をパタパタやり始めて、そこから広がる臭いが 死ぬほど臭い! 酸っぱさをベースにした腐敗臭とでも言うか、うっかり吸い込むと内臓にまで染みつきそうな臭さだった。 何かしらの事情があってのことだろうが、その事情に関係なく、ホームレスは嫌いだ。

浜松町からの帰りに、ちょっと秋葉原によって、LANのボードとカードとケーブルを買った。 新宿に向かう中央線はそこそこに混んでいて、俺は吊り輪に掴まって立っていた。 俺の前には、キャミソールのお姉さんが座ってた。 ただでさえ微妙な角度が演出されてるところに、その人の胸元がゆったりめで、ついついそっちに目がいってしまうのは 「どうしようもないこと」 ではないか。 なんて思ってたら、そのお姉さん、 「ふぅ」 とため息をついて、胸元を摘んでパタパタやり始めて、もう視線釘付け。 神様ありがとう! そして、夏よありがとう!

んで、すっかり油断していたら、いきなりその人が顔を上げて、目が合ってしまった。 見透かされたような気がして、気まずくて、恥ずかしくて。 気合いで無表情にしてたけど、その裏では、ドギーとマギーがコサックダンスを踊っているのだった。 それでも、なんだか得した気分。