1998 11 25

クリスマスといえば

ミッション系の幼稚園に通っていたことがある。 先生じゃなくて、シスターがいるところだ。 昼食の前に、 ♪〜マリア様、マリア様、お摘みください綺麗なお花。 私の心の贈り物〜♪ なんて合唱してた。

その幼稚園は月〜木曜日が給食で、金曜日が弁当だった。 好き嫌いの多かった俺にとっては、月〜木曜日が楽しくない昼食で、金曜日は楽しい昼食だったわけだ。 もっとも、母にとっては、全く逆だったのだろうが。 給食は、嫌いなものは残していた。 それが許されていた。 楽しくないと言うのは、好きなものがほとんど無いという程度のことだった。

ところが、ある日を境に、残すことが許されなくなった。 ほとんど毎日、他の子が全員帰ってしまった教室で、シスターと差し向かいで給食を始末していた。 食べるのではなくて、始末。 無理矢理口に入れて、こみ上げる吐き気に負けて、吐き出す。 さすがに、吐き出したものをさらに食えとは言われない。 全部口に入れて、全部吐き出して、やっとその日の昼食が終わるのだった。

そこは一貫教育もやっていて、系列の小学校に入学するようにとずいぶんしつこく勧められたらしい。 それを断ったら、その日から俺の扱いが変わったのだと、ずいぶん後になって母から聞いた。

そうそう、マリア様だが、処女懐胎というのは誤訳が広まったものだ。 もともとは、 「若い女」 ぐらいの意味だったらしい。 翻訳の途中で、 「処女」 と 「若い女」 両方の意味を持つ単語が当てられ、それをさらに翻訳するときに、 「処女」 の意味の単語を当てて、それが広まったのだそうだ。 さらにマリア様、息子のイエスがおかしくなってしまったと思ってて、ことあるごとに、馬鹿なことはやめてちゃんと働けと言っていたとか。

クリスマスのイルミネーションを見る季節。