1998 12 01

役立たず

会社に向かって歩く俺の前を、スーツ姿の二人組が並んで歩く。 その片方がたばこを吸っていて、流れてくる煙が鬱陶しい。 苛々する。 タバコはもっとどーんと値上げしろ! 20円なんてけちな値上げじゃなくて、一気に3倍ぐらいにしてしまえ。 俺が許す。 周りに対して害しかないことを判って吸ってるんだから、環境保護のための費用とか、福祉対策のための費用とか、奴らに全部ひっかぶせちまえ。 国鉄債務の返済に充てるってのは、さすがにちょっとって思うけどね。

たばこ屋のおばちゃんが、 「値上げすると売り上げが減る」 なんて言っていたけど、そんなのは最初のうちだけだよ。 奴らは止めない。 止められない。 それはもう絶対と言ってもいい。 値上がりする前にせっせと買い置きしてる人もいるらしいけど、無駄無駄無駄。 目の前の誘惑に耐えられなくて、ついつい吸う量が多くなって、気がつけば以前よりもヘビースモーカー。 「高いよなぁ」 なんて愚痴りながら、また吸うのだよ。

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「日本人」 とか 「戦後世代」 とかの漠然とした枠組みだと、いくらでも自虐的になれるのに、どうして誰も 「自分が悪かった」 とは言わないんだろうか。 と言うのは、例のスカウトの自殺に対するマスコミ報道なんだけど。 「ドラフト制を続けると大変なことになる」 と主張してきたなら、それを止めさせることが出来なかった無力さもまた、原因といえるのではないか。 高校生の些細な一言まで報道することで、追いつめてしまったかもしれないという反省はないのか。

この際だから、何故自殺したのかを本人に語ってもらおう。 死人に口無し。 遺書も無し。 でも問題なし。 何故なら、 いたこ がいるからである。 青森県は恐山である。 呼べ。