1999 01 07

根の辺り

初めて会った人から渡された 「肌が綺麗になる」 なんて怪しげな薬を、何も疑わずに飲んだのだろうか? 断るとその場の雰囲気がまずくなりそうに感じて、ちょっと嫌だけど飲んだのだろうか? 車の中に何をするか判らない怖そうな男と二人きりで、断ることで刺激したくなくて、仕方なく飲んだのだろうか? それとも、別にどうでもよかったのだろうか?

この2つが同じようなものではないかと思うのは、俺が伝言ダイヤルを使ったことがない故に持つ偏見だろうか。 もちろん悪いのは、殺した方であり、騙した方であるのだが。 まあしかし、今回の事件の問題点は、伝言ダイヤルじゃなくて薬物だよな。

非常に頭が良くて冷酷非道な人がいたとする。 巧みに 「いい人」 を演じているとする。 その人のそーゆー性質は、電話での会話で読みとれるだろうか。 直接会って話せば、判るだろうか。 それとも、その人の書いた文章に滲み出たりするのだろうか。

会話にも表情にも文章にも、僅かではあっても確実に出ているが、それを読みとるのはそれなりの才能と経験と冷静さが必要で、たいていの人には無理なのだと思う。

俺は 「いい人」 だよ。