1999 01 25

押さずに忍ぶこと

「べらぼうに美しい腋だ」 って言うエステのCM。 腋はいい。 高知はどうでもいい。 「べらぼう」 だ。

一昨年だったと思うが、仕事してる最中にふと疑問に思った。

べらぼうって、何?

で、会社においてあった広辞苑と大辞林で調べてみたのだった。

べらぼう(便乱坊)

江戸時代に、見せ物小屋にいた奇形の人間。 この見せ物から、べらぼうが馬鹿の意になった。

と、まぁだいたいそんなことだった。 要するに、ばりばりの差別語なのだ。 あれだけ人権とか差別に敏感なテレビなのに、べらぼうは問題ないのだろうか? 実は問題ないのである。 テレビが敏感なのは、人権でも差別でもなくて、クレームなのだから。 べらぼうなんて、死んでからもう300年ぐらいたってるし、全然関係ないのだよ。 念のためにもう一度言っておくが、腋はいい。 綺麗な腋はいいぞ。

明日は、浜松町で打ち合わせ。 都心の電車は人が多くて、どうも苦手なんだよな。 ところてんのように電車から押し出されて、だらだらとホームの階段を下りるときに、 「目の前のこいつを突き飛ばすと、雪崩のように全員転げ落ちて行くんだろうな」 と考えてしまうのは、そして、 「やってみようかな」 と密かにゾクゾクしたりするのは、きっと俺だけじゃない。 つまり、自分もいつ突き飛ばされる方に回るか判ったもんじゃなくて、なかなかに油断大敵なのである。 そんな浜松町なのである。