1999 03 15

ホワイトデーだと気付いたのは、昨日の朝、テレビを見てのことだった。

「彼氏って、どんな人ですか?」

「そうねぇ。 彼氏って言うと、甘い感じがするでしょ?」

「まあ」

「でもねぇ、どうしようもないのよ、私のは。 彼氏と言うより旦那ね」

「旦那…。 結婚、しないんですか?」

「その人が、奥さんと別れてくれたらね」

「… あの… そんなのはやめて、俺とつきあって下さい」

「何言ってるの。 だめよ、渡邊君なんか。 ふふふ…」

ずっと昔の、ホワイトデーのことだ。 なんかこう、嫉妬だとか、無力感だとか、いろいろとね。 真っ白に燃え尽きたような、そうでもないような。

昨日のいい天気が嘘のように、今日は雨。 明日は晴れるかな。