1999 05 23

うまくいったらゴールドラッシュ

中国から送られてきた鴇(または朱鷺)が生んだ卵。 あれが孵ったそうだ。 「今日、初めて雛が餌を食べました」 なんて、ニュースで言っていた。

日本の鴇は、キン婆さんが一羽だけで、実質的には絶滅だ。 どうにも疑問なのだが、鴇の一つがいだけを中国からつれてきて、いったい何をするつもりなんだろうか。 人工繁殖のためのノウハウを身につけても、この先それで繁殖するのは中国産の鴇だ。 とりあえず鴇がいれば、生物学的には全く同じ鴇だから、中国産でもいいということか。

そもそも鴇が必要か?

わざわざ中国から連れてきて動物園的に飼育する必要があるだろうか。 無い。 少なくとも今の時点では、鴇の存在が必要なのは、鴇の保護を仕事にしている人以外にはいないだろう。 絶滅が明らかな生物よりも、絶滅の危険があるけどまだ回復が可能な生物に力を入れるべきだと思うぞ。 環境問題なんかも含めてさ。

だいたい学名がよくないのだな。 ニッポニア・ニッポンなんて名前をしているから、拘ってしまうのだ。 この際だから学名を変えたらどうか。 チャイナイナ・チャイナなんて。 そうすりゃ無駄な情熱も少しは冷めるだろう。

それでもどうしても鴇に拘りたいという向きに、最後の手段。 実は、日本の鴇を増やす可能性が、まだある。

体細胞クローン

こんな時に使わないでどうする。 卵殻を作る生物での成功例はまだない(失敗してるんじゃなくて、まだ誰もやってない)が、やってみる価値はあるだろう。 キンの先は短い。 急げ。