1999 08 08

油断

窓も網戸も開け放ってスイカを食っていた。 ぶーんと虫が飛び込んできて、俺の左手にとまった。 それが、あろうことか、 ゴキブリ そのままカサカサッと腕を走り、パニクって払いと落とそうとするよりも早くまた飛んで、台所の方に行ってしまった。

絶対に殺す

奴を追って台所へ行くと、都合のいいことに、流しの底にいやがった。 さっそくマイペットを、と思って気が付いた。 俺、右手にスイカを持ったまま。 ということで、スイカの種で殺ることにした。

一口食って、種を一発吹き飛ばす。
ヒュパッ!
カシンッ!

奴が慌てて逃げ走る。 そこにまた一発。 向きを変えて逃げるところに更に一発。 ステンレスが滑って登れないせいで、奴は流しの底を右往左往するだけだ。 その様を見ているうちに、すっかり勝った気分で、なんだか楽しくなってきた。 スイカをまた一口。 種が多くてほくそえむ。 今度は連射だ。 「覚悟はできたかな?」 と、大きく息を吸い込んで、 エメラルドスプラッシュ! 何発か命中し、ひっくり返ったところにまた命中。 いきなり致命傷にならず、じわじわいたぶるのが堪らない。 「これで終わったと思うなよ」 と、更にスイカを食い、口の中で種をより分ける。

そのとき、奴がいきなり飛び立った。 慌ててうっかり息を吸い込んだせいで、スイカの種がのどの奥に転がり込んで、むせて涙目。 落ち着いたときには、奴の姿も無し。 いったい何をしてるんだ、俺は…

しばらく後に台所に行ったら、流しの隅にまたいたので、今度はマイペットでさっさと殺った。

さて、俺はいつもゴキブリを台所周りの洗剤で殺っているのだが、特に強力なのがマイペットだ。 その威力はまさに一撃必殺。 コックローチの比ではない。 しかも、後でそれをふき取ることでその辺の掃除までできて、一石二鳥なのだ。 試してみることを勧める。