1999 09 12

たまにはね

愛情も金も一つの欲望の形で、そういった欲望のランキングは人それぞれだと思っている。 だから、保険金殺人で母親が自分の子供を殺したのだと聞いても、 「この人のランキングでは、子供よりも金の方が上だったんだな」 と思うだけだ。

けどまあ、愛情に対する渇望が 「子供への愛に勝ったのは、金ではなくて他の男への愛だ」 と解釈させ、セックスに対するコンプレックスや、女はそんなものという考え(或いは願望)が 「男とのセックスに溺れた」 と解釈させ、満たされない日々が 「駄目な男の方が、良い子よりも、自分の存在意義を感じさせてくれるから」 と解釈させるのだとすれば、単純に 「金が欲しかったんだろう」 と考えるのは、幸せだと言えなくもないのかな。 ま、どっちでもいいや。

昨日の夕方、浅川の土手を散歩していて、同じように散歩していた家族連れとすれ違った。 子供の頃、俺もよく親と一緒に散歩したものだ。

田舎に帰るたびに聞かされるのは、子供だった俺が苦労を掛けた話。 次に帰ったときもまた聞かされるのだろう。 少々うんざりしているけど、そんなことを楽しそうに話す母につきあってもいいかなと思う。 滅多に帰らないんだし。 散歩でもしながらさ。