1999 10 09

上原

けっ!どっちを向いても松坂ばっかりじゃねーか。 記憶に新しい甲子園のヒーローって、そりゃ確かに判りやすいよ。 けど、そんなのを祭り上げるだけじゃなくて、もっと広い視野で見ろよ。 俺の活躍も、いちいち松坂との対比で語りやがって。 「努力の人」 だぁ? じゃあ俺には才能がないってのか? あんたらが見る目が無くて、俺の才能に気が付かなかっただけだろうが。 俺のインタビューで、松坂のことなんか訊くなよ。 ふざけんな、ボケ!

なんて、マスコミに対する皮肉のつもりで 「雑草」 なんて言ってみたんだよ。 それが、抑圧されて這いずり回っているサラリーマンどもに受けて、今じゃ何をやっても雑草魂。 しょうがないからもうその路線で行くか。

と、上原に対して、そんな想像をしてみたんだけど、実際のところはどうなんだろう。

敬遠を指示されて、ヤクルトのペタジーニ(だっけ?)を敬遠した後、マウンドを蹴り上げて涙を拭う上原の姿。 またスポーツニュースでやっていた。 もういい加減うんざりなんだけど、これからも何度もテレビで見ることになるんだろう。

敬遠を指示されて泣く。

悔しかったからだと本人は言っていたが、それは何に対して悔しかったんだろう。

  1. 自分には関係ないタイトル争いのとばっちりで敬遠させられたこと。
  2. 実力で抑える自信があったのに、監督がその実力を認めてくれていなかったこと。
  3. こいつなら真っ向勝負して抑えるだろうと、監督に思わせる実力がなかったこと。
  4. マウンドを蹴り上げたら砂が目に入り、泣きっ面に蜂的にかっこわるかったこと。

俺は、砂が目に入ったってのが有力だと思ってるんだけど。 敬遠させられたのが悔しくて泣くぐらいなら、そんな指示なんか無視して勝負するだろうからさ。

そうそう、こないだ電車の中で、酔っぱらいサラリーマン3人が言ってた。

「サラリーマンならそんなの当たり前だよな」

「でも、気持ちは判るよな」

「まあね。 俺はけっこう喧嘩する方だけどさ」

かっこわるぅ。