2000 06 28

不幸

朝から川崎。 昼過ぎまで作業して、気が付けば雨。 朝は晴れてたのに。 雨は大したことないのだが、風が強烈で、危うく傘を吹っ飛ばされるとこだった。 バス停にたどり着いたときには、すっかりびしょ濡れ。 嫌な気分。 だったのだが、吹っ飛ばされた傘を追いかけて走るおばちゃんや、お手上げ状態になった傘をもって途方にくれているおばちゃんを見て、ちょっと回復した。 慰めはいつも、見知らぬ他人の不幸だ。

他人の不幸と言えば、動物王国のムツゴロウは、ライオンに指を食いちぎられたそうだ。 で、指を食いちぎられてなお、動物大好きをアピールしているとか。 それは、動物好きという以外に自らのアイデンティティーを持たない年寄りの哀れな姿。 「大丈夫。 まだ大丈夫。 まだ自分は動物が好きだ」 と自分に言い聞かせても、じゃれついてくる子犬の牙にさえ、一瞬体が竦んでしまうのだ。 それでも、カメラの前では、動物と見れば撫で回し、口に手を突っ込んで見せるのだ。 心の中で悲鳴をあげながら。 と、そんなことばかり想像して、これまでほとんど見なかった動物王国を、次にやるときはちゃんと見ようと思う。

不幸と言っていいのかどうか。 走行中の自動車の窓から身を乗り出していて、道路標識で頭を打って死んだやつがいる。 二十歳だそうだ。 死んだ本人はどうでもいいが、周りの人が不幸だな。 全員が必死で笑いをこらえている葬式の図。 違う涙。