2000 07 25

違う元気

「もー、そうやってごろごろしてると、また寝ちゃうんだから、ちゃんと起きてよ」

と、引き起こされた。

「ん、ああ、おはよ」

投げ出した俺の脚にまたがって座って、乱れた浴衣が色っぽい。

「起きた?」

「うん。 どんどん起きてる」

「え?」

「浴衣が色っぽい」

「浴衣だから?」

「んー、脱いでも色っぽい」

そしたらいきなり 「ぷっ」 と噴出して、あははと笑いだした。

「ね、夢見てたでしょ?」

「夢? うなされてた?」

「寝言」

「寝言? なんて?」

「覚えてない?」

そう言うとまたすっごく楽しそうに笑う。 だいたい寝言なんて本人がわかるわけないし、そもそも夢を見たかどうかすら覚えていないのだ。 いったい何を言ったんだろう。

「全然覚えてない。 教えてよ」

「あのねぇ」

「うん」

「階段を下りるときにプルプルしない胸はいらんっ! だって」

「はぁ?」

「言い切ってたよ、はっきりきっぱり」

そんなことを言ったのか。 そりゃ笑うよな。 ってゆーか、あまりに馬鹿馬鹿しくて、笑うしかないよ。 自分でもおかしくなってきた。 あははは…

そこで目が覚めた。 笑顔で。 朝、いきなり笑いながら目を覚ます俺。 他人には見せられない姿だな。