朝日が差し込んで、部屋の中はむしろ暑いぐらい。 ガラス越しに見上げる空には雲ひとつ無い。 で、暖かいのかと思って薄着で出たら、死ぬほど寒かった。
「ルーシー・ブラックマンのおやじって、イギリスに帰ってたんだね」
「そりゃ帰るだろ。 何で?」
「前にテレビで見たとき、娘を見つけるまで帰らないって言ってたからさ」
「そのぐらい言わせてやれよ」
「そのときは、娘を探してくださいのビラを電柱に貼って、警官に注意されてたよ」
「電柱ねぇ。 電柱って、風俗のビラがやたら貼ってあるよな」
「おやじもそれを言ってたよ。 このビラはいいのか? って」
「そりゃ言うだろ」
「考えてみたら、ルーシーも風俗嬢なんだよな」
「そう言えばそうだな。 けど、あの垂れ目は凄いよな」
「おばらだっけ? 外人じゃなくて垂れ目が好きだったのかもね」
「まだ取調べ中?」
「そうみたい。 おばら君、いっそ開き直ってくれないかな」
「開き直る?」
「殺したんじゃなくて治療ですってさ」
「治療?」
「体をばらばらにして悪い気を出して、新鮮な宇宙のエネルギーを取り入れるんだよ」
「コンクリートは?」
「魂が抜けないように。 これを忘れると、別の霊が入り込んだりするから」
「じゃあ洞窟は?」
「宇宙エネルギーが集まりやすいから。 あのまま3ヶ月寝かせてから、体を繋げるんだね」
「えーと… グルだっけ?」
「ただのグルじゃないよ。 ザ・グル」
「ははは、くだらねー。 あ、でも、新興宗教の修行で帰れないって言ってたんだっけ?」
「そう。 ちょっと見てみたいだろ?」
「まあ、ねぇ」
なんて、先週、昼飯食いながら話してた。 ろくでもないことを言うのは、飯が不味いせいじゃないかと思う。 食事は大事だね。
ワコールのCMの藤原紀香。 胸元にドキドキ。