2001 03 03

厳密に言うと少し違う

雛祭りか。

夕焼け

そこに何かが映るとはとても思えない汚れた手すり(?)に、今日は夕焼けの雲が映っていた。

大雑把に言うと、人が何かを見て認識するのは、映画を見るのと同じだ。 断片的に取り込んだ一瞬一瞬の視覚情報を頭の中で繋げることで認識している。 つまり、 ある一瞬を認識してから次に認識できるまでに空白の時間がある のだな。 映画が秒間30コマもあれば自然に動いて見えることからすると、この空白の時間はおよそ0.03秒。

動き始める自動車のタイヤを見ていると、だんだん回転が速くなったあるところで逆回転して見える。 これも、時間的に跳び跳びにしか認識できないから起きることだ。

Fig.1 Fig.2

図のような、十字の車軸を持つ車輪を考える。 これが時計方向に回転するとしよう。 最初に認識した瞬間は A にあったところが、次に認識した瞬間には A' になっていたとする。 回転が遅いときには(Fig.1)、A' は A の近くにあるので、脳はこの2つの瞬間の映像から、A が A' に移動したものだと解釈する。 回転が速くなってくると(Fig.2)、次に認識した画像では、A' は B の近くにある。 これを受けた脳は、A と B が同じ形なので、近い方を優先して B が A' に移動したものだと解釈してしまうのだな。 これが逆回転。 この車輪の場合は、空白の時間0.03秒に45〜90度回転して見える速さのとき、逆回転となる。

さて、家では、マウスではなくてトラックボールを使っている。 Logitech の光学式トラックボール。 手に馴染む曲面、扱いやすい大きなボール、そして何より場所を取らないのがいい感じだ。 ボールには小さな黒い点がびっしりついている。 光学式ってことだから、このトラックボールは、黒い点による光の反射の有無をカウントして、回転を検出しているんだろう。 これは、人が回転する車輪を見るのと同じような状況ではないか。 ならば、適当な速さの回転を与えることで、マウスカーソルを止めたり逆方向に動かしたり出来るのではないか?

と、ここまでを、風呂の中で考えた。 で、さっそく風呂から上がって実験。

抵抗を少なくするために、まずはボールを取り出して、たまった汚れを取り除く。 ボールもぴかぴかに拭いてやる。 準備完了。 ボールを思いっきり回転させる。

パシッ!
シュゴゴーー

おおっ!カーソルが、ちゃんと逆方向に動くではないか。 回転させた方向とは逆に一瞬動いて、そこでしばらく止まる。 回転が落ちてくると、本来動くはずの方向にすっ飛んでいく。 なんか嬉しくなって、何度も何度もやる。

シュゴー …
シュゴゴー …

と、風呂上りに服も着ないでこんなことをしていたせいだと思う。 風邪を引いた。 頭が痛い。