2001 03 22

俺の猫は元気か?

放射性元素などが崩壊して別のものになるとき、その数が最初の半分になるまでにかかる時間を半減期という。 この崩壊は確率的なものだ。 たくさんあれば、半減期を過ぎると実際にだいたい半分になるが、一つ一つがいつ崩壊を起こすかは判らない。 この崩壊をスイッチとする毒の噴射装置を作る。 そして、その装置と一緒に猫を、中が見えない箱に入れる。 さて、猫はまだ生きているか?

というのが、シュレディンガーの猫の話。 箱を開けて中を観測するまでは、猫がまだ生きているかどうかは確率でしか語ることが出来ない。 このとき、猫が可哀想だと思ったら、スイッチとして半減期の長い物質を使いたくなるだろう。 実際に崩壊が起きる時間を言っているものではないと判っていても、だ。 猫が可哀想だと思ったらそもそもそんな実験をしないのだが、それは置いておくとして。

「もてたい」 というのは、そーゆーことだ。 誰かが自分を好きになってくれるかどうかは、判らない。 実際に特定の誰かを好きになるまでは、確率でしか語れない。 しかし、100人の90人から好かれる人の方が、100人の10人から好かれる人よりも、高い確率を期待できるだろう。 そーゆーことなのだよ。 相手から好かれるかどうかが確率だと思っているのがそもそもの問題じゃないかという気もするが、それは置いておくとして。

「あなたは、自分が好きになる人からは好かれない」

今から10年ぐらい前、占い師に呼び止められて、そう言われたことがある。 俺が箱を開けると、いつも猫は死んでいるってことか。