2001 06 08

報道姿勢

国益を守る義務が外務省にあるのは確かだ。 しかし、国益がどうだなんてコメントをつけるなら、外務省のリークで得た国益を損なうような情報を報道しなきゃいいだろうに。 国益を守るのがいいことなら、その責任を人に押し付けず、それを損なう片棒を担がず、自分達でも守るようにすればいいのだ。 ついでに言うなら、今、国益を守る最も有効な報道は、 誰からその情報を得たのかとセットで報道する ことだと思うぞ。 「田中外務大臣は、このように発言しました。 この情報は、外務省の誰々から入手しました」 なんてやると、情報をリークする外務省職員を特定できて、国益のために(と言うか、むしろ自分のために)情報管理をしっかりやる外務省になるだろう。

包丁を持った男が小学校の教室で暴れた事件。 小学生8人が死んだそうだ。 で、精神科への通院歴や精神安定剤への依存(?)が報道される中、毎日新聞では次のような 「おことわり」 があった。

毎日新聞社は、池田市の小学校に乱入して逮捕された男が精神障害で治療を受けており、薬物乱用の疑いがあることから、刑事責任能力を問えない可能性もあるため現段階で匿名としました。

大阪・学校乱入殺傷事件の容疑者について、毎日新聞社は匿名で報道してきましたが、その後の調べに対する供述などから、刑事責任が問える可能性が出てきたため、実名に切り替えました。

毎日新聞の2つ目の 「おことわり」 は夕方に見たもので、これがいつ出たのかは判らない。 しかし、(俺が見た範囲の)テレビで11時ぐらいには実名で報道されていたことからすると、どの報道機関も午前中にはその判断をしたのだろう。 俺は、病気だろうが泥酔状態だろうが、やったことが犯罪であれば、実名で報道すればいいと思っているが、それでもこのおことわりには、素朴な疑問が浮かぶ。 自分達が勝手に判断した 「可能性」 で実名に切り替えるのか?