2001 07 10

コラージュ

昼飯を食っていたときのこと。 隣で、入社2〜3年目ぐらいの若手2人(白いシャツのつんつん頭と、青いシャツのさらさらヘアー)が話をしていた。

白 「今、既設の改造してるんだけど、これがまた大変でさぁ。 自分が改造するところだけじゃなくて、システム全体を理解しなきゃいけないんだけど、その時間がなかなか取れないんだよね」

自分が大きなシステムに深く関わっていることのアピール。

青 「プログラムの改造ってのは、別にシステムの全体を知る必要はないよ。 ちゃんと仕様が出来ていれば、それに従ってやるだけだからね。 こうしなさいってのを、そのまま。 俺なんか、システム全体のことなんて全然知らないけど、余裕で改造してるよ」

大変なのはそもそも全体がしっかりしてないからじゃないか? と牽制し、さらに自分が携わっているシステムではその辺はしっかりしていて、そこで自分も役割をきちんと果たしていることをアピールして対抗。 自慢にならないことを自慢気に言ってしまうのは、若さの故か。

白 「いや、そんな風にここだけって抜き出せるようなものじゃなくてさ。 俺がやってるのって、システム全体に関わってくるところなんだよ。 最低でも全体の流れがわかってないと、どうしようもないんだよな」

ま、そう反応するだろうね。 単なる繰り返し。

青 「でもさぁ、どんな機能でも、改造するときは改造する場所をきちんと決められるだろ? 仕様書でさ。 それだけ見てやればいいじゃん。 全体を知らなくても、何をどう改造するかが判るための物が仕様書だろ」

これまた同じ主張の繰り返し。

白 「いや、俺が今やっているのは…(説明)…なんだよ」

なるほど、確かにシステム全体を理解する必要がありそうだ。

青 「ふーん… ま、頑張ってよ」

あからさまに嫌々な態度だな。 いかにも他人事という投げ遣りな言い方が、精一杯の対抗。

しばらく黙々と食う。

青 「でもさぁ… なんか虚しいよな。 せっかくシステム全体を勉強しても、改造が終わったら過去のものだろ? 結局無駄になっちゃうんだよね」

食ってる間に考えたんだろう。 このままでは終わらせたくない。 しかし正面からでは勝ち目がない。 ということで、側面から反撃開始。

白 「いや、改造前の機能も、改造で追加する機能も、平行して動かすんだよ。 それが難しいところなんだよね。 それに、この先いろいろ変更する可能性高いんだけど、それも俺がやるらしくてさ」

カウンターだ。

青 「あ、そうなんだ… ふーん… 」

あっさりやられちゃった。

白 「なんかさぁ、面白いことは面白いんだけど、やっぱ大変だよ。 いいよなぁ、ここだけ改造しなさいで済んじゃうのって。 ちょっと羨ましいよ」

とどめ。

彼らの話に、自分の中でこんなナレーションを入れてしまうのは、飯が不味いからではないかと思う。 ちなみに今日はハンバーグ。

+

藤原紀香さんと見詰め合うとしよう。 このとき、俺の瞳には紀香さんが映っているはずだ。 その、本来なら俺が決して見ることの出来ない 「俺の瞳の中の紀香」 を、デジカメで撮った自分の目と、ネットで拾ってきた紀香さんの画像で、実際に作ってみた。 いろいろ弄っているうちに、当初の予想とは全然違うものになってしまった。