2002 07 07

七夕

暑い。

ぼんやり歩いていてふと足下を見ると、ちょうど俺が足を踏み下ろすところに、蟻が走りこんでいた。 あっと思うも、足は急には止まれない。 哀れな蟻はぺっちゃんこ。 ああ…

で、蟻を踏み潰してしまったという小さな小さな罪悪感を、 「気付く間もない一瞬で踏み潰したのだから、きっと蟻も苦しまなかっただろう」 と紛らわそうとしていて、ふと疑問が。

哺乳類の心臓が一生のうちに鼓動する回数は、種類によらず大体同じぐらいなのだと、遠い昔に聞いたことがある。 さらに、それぞれの動物は、その鼓動に応じた時間の流れの中で生きているのだと。 これを、 「それぞれの生物は、その種の平均寿命を、同じ長さの時間として体感する」 と拡張して、昆虫にもそのまま適用できるとしよう。 すると、1年で死んでしまう蟻の時間は、80年生きる人間の80倍の速さで流れていることになる。

歩いているその足の動きを見てみた。 まず踵が地面に付き、それから爪先が地面に付く。 足裏は、踵を中心とした回転運動になるのだが、回転角があまり大きくないので、単純な上下運動に近似できるだろう。 爪先が上下する高さは、微妙に若さの無い5cm程。 蟻を踏んでしまった踵寄りの所だと、上下は1cmぐらいか。 これを、毎秒2回のサイクルとなる速さで上下する。 これらから、踏み下ろすスピードは、4cm/sとなる。

蟻の体高を4mmとすると、これを踵寄りのところで踏み潰すのにかかる時間は、蟻の体があっさり潰れるとして、0.1秒。 0.1秒と言うと短いようだが、それは人間にとっての話。 先の仮定通りに蟻の時間感覚が人間の80倍だとすると、 人間にとっての 0.1秒は、蟻の体感時間としては8秒 になる。 結構長い。 この時間をかけて潰されるのは、かなり辛いのではないか。

と言うことで蟻よ、すまん。 今日は七夕だし、せめて星になってくれ。

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覗穴

トタン板に、検針のための穴が二つ。

火点

高尾山の麓、病院の前の林に、この札があった。 火が点くと言いたいのか。 火を点けろと言いたいのか。 ひょっとして、キャンプ地を表す中国語か?

終点

京王線の線路の末端はこうなっている。