2002 10 04

とにかく文句を

北朝鮮による拉致で、被害者の家族が小泉君と面会。 その後、被害者の家族(の一部?)が、テレビのインタビューに答えて、 「声が小さくて何を言っているのか聞こえなかった」 と言っているのを、何度も見た。

声が小さいのが気に入らなかったようだが、だったら声が大きければいいのだろうか。 仮に小泉君が、貴乃花優勝時の 「痛みに耐えてよく頑張った! 感動した!」 みたいな調子で喋ったとしたら。 その意図が家族を元気付けようとするものだったとしても、 「まるで他人事のように、何の痛みも感じてない様子で、得意気に」 なんて言ったことだろう。 或いは、 「拉致の事実が明らかになった以上、北朝鮮に対して断固厳しい姿勢で臨む」 ぐらいのことを言ったとしても、 「具体的なことは何も言ってない。 そもそも今更そんなことを言うなんて」 と、これまた非難がましく言うに違いない。 要するに、何をどう言ったところで文句を言うのだ。 けどまあ、これまで散々もどかしい思いをしてきて、ようやくわずかに入ってきた情報が芳しくなくて、文句を言いたい気持ちも判らないでもない。 下らないコメントでも、まあしょうがないかと聞き流しておくのが、ゆとりある大人の態度だろう。

しかし、その部分だけを繰り返し流すテレビってのはなぁ…そもそも 「声が小さい」 ということを批判的な文脈で繰り返すなら、自分たちはどうなのか。 拉致に限らず暗いニュースは、暗い声で、暗い表情で、読んでいるではないか。 そういった演出はどうなのか。 それに、そんな暗いニュースの直後に、 「さあ今日のジャイアンツですが」 なんて一転ニコニコ顔になるくせに… ってのは、ガキっぽい物言いだけど。

えーと… 被害者家族の中でも政府に批判的な発言で特に露出が増えてきた、顎の細いおっさん。 ゆとりなんて無いところだとは思うが、せっかくなんだから、コメントにもうちょっと色をつけてくれないかな。

ほら、新聞や雑誌で、訂正とかお詫びとかが入るじゃないですか。 最初の記事とは比べ物にならないぐらいの小ささで。 あんな感じでした。 首相の話。 「改革なくして成長なし」 なんて言ってたあの声とはぜんぜん違って。 それで、えーと、テレビで番組の最後のほうになって、 「一部不適切な発言がありました」 なんて、ちょろっと言ったりする、あんな感じでそそくさと終わりました。

なんて、嫌味が編集しにくくていい感じだと思うんだけど、どう?

そうそう、 「北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国」 というくどい言い方だが、北朝鮮としか言わないと、朝鮮総連関係から執拗に鬱陶しい抗議がくるからなんだそうだ。 そういった抗議が今もくるのかどうかは知らないが、昨日見たニュースでは、 「北朝鮮、朝鮮民主主義人民共和国」 と言っていた。