2003 03 05

どこを見ているのか

寒い。 ここ数日はちょいと顔を覗かせるぐらいだった霜柱が、今日は5センチぐらいに立ち上がっていた。 既に多くの人に踏み荒らされている霜柱を、俺も踏み潰す。 小さな破壊に心躍る朝。

「こないだ渡邊さんが会社に来てるとこ見たんですけど、手ぶらなんですね」

「うん。 たいてい手ぶらだよ」

「それで、なんかすごい堂々と歩いてますよね」

「堂々と…なんだよそれ」

「もう、こんな偉そうな感じで」

だそうだ。 寒さに背を丸めていないのだと解釈して、これはこれで良しとしよう。

なぜ、男は 「女は馬鹿」 と思ってしまうのか / 女は男のどこを見ているか 岩月謙司

本屋の新書コーナーで、並んで平積みになっていたもの。 タイトルの並びが面白くて、2冊とも買ってきた。 「地図を読めない女、話を聞かない男」 から続く、男女差を論ずるものだが、この本で扱っているのは主に女性。 どっちの本も、前半は 「なるほど、そんなものか」 と思うのだが、後半になると少々うんざりしてくる。 面白かったのは、 「男は事実を記憶し、女は感情を記憶する」 というのと、 「幸せ恐怖症」 かな。 あと、この本によると、俺はやっぱりもてないようだ。

この手の本が流行ったのは、 「地図を読めない…」 が売れて他がそれに追随したからだが、追随できた背景として、 「男女に違いは無い。 あるのは社会的な抑圧だ」 と主張する人たちからの圧力が減ったこともあるんだろうな。