2003 04 24

ダブル

鼻毛が伸びる夢を見た。

朝、顔を洗って鏡を見ると、鼻からちょっと鼻毛が覗いている。 なんとなく引っ張ってみると、ずるずると鼻から出てきて、なんと5センチ程に。 物差しで計ってみると、5.3cm だった。 つんつん引っ張った感触からすると、鼻の穴に隠れている部分が1センチぐらい。 つまりこの鼻毛、6センチ以上に伸びているのだ。 いままで、どうやって鼻の穴に収まっていたんだろう。 ぐるぐると、コイルのようになっていたんだろうか。 これだけ長いと、切るのも何だかもったいないな。 どうしてくれようか。 と、鼻毛を弄っていたら、さらに数本が鼻の穴から顔を出す。 まさか? と引っ張ってみると、こいつらがまた、さっきのに劣らず長い。 しかも、長々と引っ張り出す度に、また新しく覗いてくる。 それらを次々に引っ張っているうちに、鼻毛がとうとう下ろしすぎた筆のようになってしまった。 ちょっと息苦しい。

という夢。 目が覚めたとき、思わず鼻を確かめてしまった。

何でこんな夢を見たのかは知らないが、実際に鼻毛が5センチぐらい伸びていた人を、俺は知っている。 しかも両方の鼻の穴から、1本ずつ、まるで昆虫の触覚のように。

気がついていないのだろうか。
髪はちゃんとセットしているようだし、気が付かないってことはないだろう。 いや、セットしているとは言ってもオールバック。 鏡を見なくても簡単にできそうだ。 でも、こんだけそっくり返って伸びていると、視界に入るんじゃないかな。 いや、近すぎて気付かない可能性もあるか。
誰も指摘してあげないのだろうか。
これだけ堂々と伸びていると、指摘し辛いのかもしれないな。 あ、俺も指摘してないか。
伸ばしているのかもしれない。
普通の人がひげを伸ばすところを、この人は鼻毛で。 いや、いくら何でも、それは無いな。

などと、その人と打ち合わせをしながら、全然違うことを考えたものだ。

今になって思うのだが、あれはきっと鼻毛ではないのだな。 いや、鼻毛は鼻毛なのだが、それはもう全然違う役割を持つものなのだ。 もし片方を切り落とすと、彼はきっと真っ直ぐ歩けない。 真っ直ぐ歩いているつもりでも、同じ所をぐるぐる回ってしまうのだ。

恐ろしい。