2003 05 02

檸檬

戦場取材に行った毎日新聞の記者が、拾った不発弾(?)を土産にもって帰ろうとしたら、ヨルダンの空港で爆発。 空港職員が死亡。 記者本人は現地警察に逮捕され、現在取調べが行われている。

だそうだ。 遠い昔に戦場だったところではない、今まさに戦闘が行われている場所に行っているというのに、不発弾を拾って土産にしようというその神経がね。 勇者と言うか馬鹿と言うか…もちろん馬鹿なのだが…とりあえず凄い。 いや、不発弾だと思わなかった可能性もあるか。 そっち関係のオタクならともかく、普通に日本で暮らしている分には、自分が拾ったものが爆発後なのか不発弾なのかなんて判らなくても無理はない。

とも思ったが、爆発したかどうかぐらいは、やっぱり判りそうなものだな。 いやいや、ちゃんと判っていたからこそ、なのかもしれない。 それがまだ新しい不発弾で、何かの拍子に爆発するかもしれないと判っていて、だからこそ土産にしたかったのかもしれない。 誰かに渡すつもりで。 その誰かの家で、一家団欒の真ん中にいつ爆発するかもしれない不発弾が置かれることを想像して、にこにこと弄んでいたのかもしれない。

ニュース中、毎日新聞ではないらしい記者が、先の記者が不発弾を拾ったときのことを話していた。

「こんな所にこんなものが落ちてるよ」 と拾って、手にもって弄っていました。 その様子は、私には、 「彼はこのようなものに詳しいのだ」 と見えました。

大体こんな感じのことを言っていたのだが、これ、何だか言い訳っぽく聞こえるな。 戦場を取材する記者として、そんな行動を見たなら止めるべきだった。 なのにそうはせず、その結果、空港職員を死なせてしまった。 責任の一端はお前にもある。 そんな(他人からはもちろん自分の中での)責めから逃れたくて、 「彼は詳しそうだった」 つまり 「自分は素人だから判らなかった」 なんて言ってるのではないか? なんてね。

毎日新聞ではどんな風に事件を扱っているのか見てみようと思ったのだが、今のところまだ何も書かれていないようだ。