2004 05 06

倒れない自転車

忙しい。 これがもう笑うしかないぐらいに忙しい。 世間じゃ連休だってのに、会社ももちろん連休なのに、俺が休んだのは4日と5日だけ。 それも停電で作業ができないからって理由で。 何かもう擦り切れるだけの毎日。 夢も希望も遠い思い出…って、そりゃちょっと言い過ぎか。 夢はヒモ。 誰か養ってください。

工事中のために却って広くなっている歩道で、自転車に乗ったおばちゃんとすれ違った。 当たり前のように、おばちゃんは自転車を降りる。 おばちゃんになったから自転車を降りるのか、自転車を降りるからおばちゃんになるのか。 ま、どっちでもいいのだが、そんなおばちゃんのためにちょっと考えてみた。

自転車は、車輪の回転によって安定して立つ。 ジャイロ効果って奴だ。 現在の自転車は、推進のための車輪の回転が同時に安定を提供する仕組みになっている。 シンプルで安価にできる反面、スピードを落とすと安定性も落ちてしまうのが宿命の構造。 つまり、低速でも安定性を失わないためには、車輪とは別に回転するものを用意すればいいのだな。 そんな目で自転車を見るに、スポークの間にいい隙間があるではないか。 このスポークの間で、手っ取り早く車輪と同軸で、円盤をぐるぐる高速回転してやればいいのだ。

例えば機械式。 ちょっとした棘程度のもので、中の円盤を順回転のみに限定し、逆回転できないようにすることは簡単。 逆回転できないことで、加速時に円盤の回転も加速する。 順回転自由なことで、高速走行からブレーキをかけたときでも、しばらくは中の円盤が高速回転し安定性を保つことが期待できる。 ま、あんまり長続きはしないけど。

例えば電気式。 電磁石とバッテリーとを組み合わせて、高速で走っているときは充電しておく。 バッテリーは円盤の中に持って、ついでに慣性モーメントも大きくしてやれば良いだろう。 低速になったら、貯めておいた電気を使って高速回転をキープする。 回し過ぎるとハンドルを切りにくくなるから、フレームにはちょっと工夫が必要だろうけど。

自転車の安定は、正確にはジャイロ効果と重心移動とハンドル操作なのだが、ちょっとしたことですぐによろめくことからも判るとおり、おばちゃんの重心移動とハンドル操作は、かなり弱いからね。 その弱った身体操作を補うために、ジャイロ効果を高めるのだ。 これでもう、すれ違う度に自転車を降りこともなくなるだろう。 誰か作れ。 作って売れたら、俺のところに売り上げの7%を持ってくるように。