2005 01 13

告発の行方

せっかく暖めてもらったコンビニ弁当が冷えないうちにと、急ぎ足で辿る家路。 凍える空気。 綺麗な細い月。

「自民党の安部・中川両君が、NHKが放送を予定していた番組に圧力をかけて放送内容を変更させた」 などと報道されている件。 NHKからの内部告発があったのだとか。 昼にチラッと見て気になっていたのだが、ニュースサイトをあっちこっち回って、結局は 「なんだ、いつものことか」 に落ち着いたのだった。

問題になったHNKの番組は、 「戦争と女性への暴力」 日本ネットワーク がやった裁判ごっこを扱ったもの。 放送は2001年。 「ごっこ」 呼ばわりしているのは、俺の優しさね。 裁判と言っているけど、起訴の根拠は曖昧で、被告には弁護人が付かず、更には被告が欠席なのだが、これはそもそも被告人が来ないことを見越してのパフォーマンスとしてやっているものなのだ。 (この団体と同じ臭いのする人達がとても熱心に守ろうとする)犯罪者(とされる側の人)の人権を蹂躙していること甚だしいのだけど、それも洒落。 そういう芸なのだ。 こんなのを、つまりは 私刑 を、本気でやるほど馬鹿じゃないだろうと、優しい俺は思ってやるのだ。

ざっと見たところの23:50現在、asahi.com では5件、Mainichi INTERACTIVE でも5件、YOMIURI ON-LINE では1件、記事が載せられていた。

朝日はいつもの調子。 記事の末尾には、表現の自由(憲法21条)や放送番組の独立(放送法3条)を載せて、いかにも不当な圧力があったような雰囲気を醸し出している。 もちろん、安部&中川側の指摘の根拠となる、編集の中立義務(放送法3条の2)については、一切触れない。 毎日は、朝日に比べるとやや中立に見えるが、比べるのが朝日ではあんまり意味が無いか。 読売に記事が載ったのは23:30頃で、他に比べてかなり遅い。 それまでは全然見当たらなかった。 見落としていたのかもしれないが、俺が見た通りに全く触れていなかったのなら、それはそれでまた読売らしい。

そうそう、これまたいつものことだが、裁判ごっこをやっているのは 「市民団体」 で、これに抗議するのは 「右翼団体」 なんだよね。 ま、右翼団体はたぶん本当に右翼団体なんだろう。 自覚的にやってる連中なんだろうと思う。 でも、左翼団体を 「市民団体」 と表記するのと同じ理由で、右翼団体だって 「市民団体」 と書いてもよさそうなものだよな。 それが偏らない報道の有り方ってものだろう。 妥当なのは、 「市民団体」 と頭にくっつけて、団体名を書くぐらいか。 ついこないだまでやってた、 「北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)」 みたいに。 いや、北朝鮮は北朝鮮でいいけどさ。

最近見かけないなと思っていた知人が、実は癌モドキ(?)が再発して入院していたのだった。 ちょっと心配。