2005 06 21

眠れぬ夜の夢

暑さのせいか、なかなか眠れない。 時計を見たら4時をちょっと過ぎていた。

朝、テレビを点けると、いきなり殺人事件のニュースだった。 ジャンキー同士が公園で殺し合ったとのこと。 そのニュースを、 「そう言えば俺、昨日も一昨日もあの公園にいたんだよなぁ」 なんて、何だかもう遠い思い出のような感じで見ていた。 ネクタイ締めながら。

一昨日の仕事帰り。 公園のベンチに座って、半分よりもちょっと丸い赤い月を眺めていた。 暫くぼんやりしていて、ふと気が付くと、公園にはけっこう沢山の人が集まっていた。 沢山いるのに、誰一人喋らない。 黙ったままでじっと立っているそいつら全員が、ゆったりした白い服を着て、刃物を手にしていた。 服装が揃っている割には、刃物はばらばら。 カッターナイフだったり包丁だったり日本刀だったり。 何かの撮影かな? なんてぼんやり見ていたら、そいつら、いきなり殺し合いを始めやがった。 びっくりした。 当たり前だけど。 一瞬、固まっていたのだが、何人か俺に気付いて向かってきたので、慌てて逃げだした。 すぐ後ろに追いかけてくる足音が聞こて、久しぶりに全力で走った。 どこをどう走ったのか、気が付くと家に帰っていたのだった。 あいつらみんなジャンキーだったのか。

昨日の仕事帰り。 事件の後どうなっているのかが気になって、また公園に行ってみた。 現場検証とかで入れないかと思ったら、そんなものは何も無くて、普通に人がいた。 ヤンキーっぽい高校生ぐらいのグループが2つ3つ。 神父のような黒い服の3人。 大人しそうな女子高生が2人、神父について歩いていた。 公園ってのは、こーゆーもんだっけなぁ…なんてぼんやり見ているうちに、ヤンキー同士が揉め始めた。 で、何をトチ狂ったか、お互いにライターとヘアスプレー(?)を取りし、火炎放射器のようにして自分に火をつけた。 互いに火達磨になって、でも燃えていることをほとんど気にしない風で、今度は殴り合いの喧嘩。 それを見た神父が駆け寄ったので、止めに入ったのかと思ったら、自分の服に火を移してこれまた火達磨に。 そしてそのまま、燃えたまま、聖書を広げて説教を始めた。 時々奇妙に体をくねらせながら。 気が付くと、あっちでもこっちでも火達磨になっていた。 巻き込まれないうちに帰ろう。 と、立ち上がったところで、神父が俺を見た。 神父に付き従っていた女子高生が駆け寄ってきた。 その子の手を逆に捕って神父に投げつけ、走って逃げた。 もう一人の女子高生が、犬のように4つ足で走って追ってきた。 この子が素早くてあっという間に俺の前に回りこむもんだから、俺は公園の中をおろおろと逃げ惑うばかり。 砂場の角に来たところで、 「あ、確か昨日は、ここで争っている二人の間をすり抜けて助かったんだった」 と思い出して、そこで争っていた二人の間をすり抜けようとして、足が引っかかって転んでしまった。

そこで目が覚めた。 で、目が覚めたときに最初に見たのが顔の前に投げ出していた自分の腕なのだが、これが夢の最後で転んだときに見たのと角度から何から全く同じなのだな。 ま、横向きに寝ているときの腕の位置なんてだいたい同じようなものだとは思うのだが、それでも全く同じってのはね。 一瞬、まだ夢の中かと思ってしまったよ。 ところで、事件のニュースを見てたってことは、俺はちゃんと逃げられたはずなんだよな。 でも、昨日はどうも逃げられなかったようなのだが。 夢の中の俺はどうなったんだろう。 やっぱり燃えちゃったんだろうか。

しかしまあ、何でこんな夢を見たのかね。 暑かったからだろうか。 時間を遡っているところが、我ながら斬新だよな。 なんて思いながら見た時計は、8時ちょっと前を指していた。 目覚ましの鳴るちょっと前。