2005 08 02

ハッピーエンド?

ここ最近、Side Story とか Fun Fiction とか二次創作等と自称するジャンルのものを、ネットで読み漁っている。 テレビや漫画で既に確立されているキャラクターとその世界を使って、素人が書いた小説。 「エヴァンゲリオン」 「ナデシコ」 「マリア様がみてる」 なんかが、ネタとして使われていることが多い。 書いているのは素人なのだが、上手い人は上手い。 って、そりゃ何のジャンルでも同じか。 でも、背景の説明をせずにいきなり物語に入れる楽さを割り引いたとしても、結構読ませるものもあるんだよね。

そんな訳でいろいろと読んでいたのだが、ちょっと気になったのが、エヴァンゲリオンモドキの中でまたジャンルを確立していると思われる一つのパターンについて。

サードインパクトによる人類滅亡後、一人生き残った碇シンジが、過去に遡って歴史を変えようとする。 今度は人類が滅亡しないように。 かつて淡い恋心を抱きながらも、自らの臆病さの故に傷つけてしまった綾波レイを、今度こそ守るために。

大雑把にはこんな話。 綾波レイってのは、見かけは可愛い女の子なんだけど、実は人間ではない使徒と呼ばれる存在。 最初は何事にも無関心無感動の無感情だったのが、シンジと接する中で心というものを学んでいく。 同時に、自分の秘密をシンジに知られることを恐れるようになるという設定。 「私の秘密を知ったら、私が人間ではないと知ったら、碇君は私を嫌いになるかもしれない」 なんて。

で、何が気になったかと言うと、シンジがレイにかける台詞。 「私が人間ではないことを知られたら…」 と怯えるレイに対して、シンジは、 「大丈夫、綾波は人間だよ」 なんて言うのだな。 一つのジャンルを確立しているぐらいだから、そりゃもういろんな人が同じような話を書いているのだが、そのほとんどがそう。 でも、それって違うんじゃないかって気がするのだ。 「人間だから大丈夫」 なんて言うのは、現に人間とは違い、その事実を意識せざるを得ないレイにとって、むしろ拒絶になるのではないか。 「人間だから大丈夫」 ってのは、裏返せば、 「人間じゃなければ駄目」 ってことなんだから。

ま、どうでもいいと言えばどうでもいいことなんだけどね。 と言うか、現実レベルの問題に置き換えようとしたら真先に 「どんなに美人でも男は駄目。 女じゃないと。 女で美人だったら貧乳でも…」 なんてのが思い浮かんで、今、急にどうでもよくなった。 何をどう飾ったところで、所詮は妄想の中のキャラクター弄り。 身も蓋も無く言ってしまえばアイコラと同じだもんな。